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①設計文書 PIC/S GMP <Part I> 構造設備および設計文書の対応例

出典 (1) 令和2年3月31日付け 厚生労働省医薬・生活衛生監視指導・麻薬対策課 事務連絡「PIC/SのGMPガイドラインを活用する際の考え方について」 の一部改正について

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2020年12月24日

3章の構造設備要件 (1) 「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件 (1) 構造設備要件の解釈 構造設備の対応例 構造設備要件の対応を示す設計文書例 留意点
見出し 原文 和訳 構造設備 構造設備に相応した運用
1 第3章建物及び設備 原則 Premises and equipment must be located, designed, constructed, adapted and maintained to suit the operations to be carried out. Their layout and design must aim to minimise the risk of errors and permit effective cleaning and maintenance in order to avoid cross-contamination,build up of dust or dirt and, in general, any adverse effect on the quality of products. 実施される作業に支障を生じないよう、建物及び設備を配置し、設計し、建造し、構成し、保守管理しなければならない。 2.7. 製造部門の長は一般的に、以下の責務を有する:
(iv) 自らの部門、建物及び設備の適格性評価及び保守管理を確保する。

第4 章 文書化
要求されるG M P 文書( 種類別)
製造処方、加工、包装、試験の指図書:
全ての出発原料、装置及び( もしあれば) コンピュータ化システムの詳細を示し、全ての加工、包装、検体採取、試験の指図を規定したもの。
採用された工程内管理及びP A T は、該当する場合、許容判定基準とともに明記すること。

記録書:
様々な措置の形跡を提供し、指図書への適合を実証するもの( 例えば、作業、生じた事象、原因調査、及び製造バッチの場合は製品の各バッチの履歴( その配送を含む))。
別の記録書を作成するため用いられた生データも、記録書に含まれる。電子的記録書に関しては、管理された利用者がどのデータを生データとして用いるかについて規定すること。少なくとも、品質判定の基となるデータ全てを、生データとして規定すること。

4.1. 全ての種類の文書を規定し、遵守すること。要求事項は、全ての形態の文書の媒体形式に同様に適用する。複雑なシステムは、理解できるようにし、適切に文書化し、バリデートする必要があり、適切な管理が整っていること。多くの文書( 指図書及び/ 又は記録書) は、ある部分は電子的、他の部分は紙ベースといった、複合形態で存在し得る。原本、正式な副本、データの取扱い及び記録書の結びつき及び管理方法が、複合的システム及び同質的システムの両方について定まっている必要がある。電子文書( テンプレート、書式及び原本等) について、適切な管理を実施すること。適切な管理を整えて、保存期間全体にわたって記録の完全性を確保すること。

4.29. 以下の例について適宜、文書化された方針、手順書、実施計画書、報告書及び講じた措置又は到達した結論に関連する記録書があること。

- 工程、装置及びシステムのバリデーション並びに適格性評価
- 装置の組立て及び校正
- 保守管理、清浄化及び衛生
1. 建物・設備は、実施される作業に支障を生じないよう、配置、設計、建造されること。 1. 3.1.以降の要件に包含される。 1. 3.1.以降の要件に包含される。 (建物・設備)
・設計文書全般

(注) 留意点2. を参照のこと。
1. 本項目は、構造設備の設計に係わる要件ではなく、適格性評価および運用に係わる要件である。

2. 建物および設備の配置および設計に対して、過誤のリスクに関する品質リスクマネジメントを実施する。

3. 【平成27年7月8日付け 厚生労働省医薬・生活衛生監視指導・麻薬対策課 事務連絡「PIC/SのGMPガイドラインを活用する際の考え方について」 の一部改正について】において、”適格性評価”が”クオリフィケーション”に用語が統一されている。
2 建物・設備はクオリフィケーション(設備の組み立ておよび校正を含む)、保守管理および清浄化されること。
(注) 留意点1.、3..を参照のこと。
2. 3.1.以降の要件に包含される。 2.1 建物・設備に対して、以下の項目を適切に行う。
・清浄化
・保守管理
適用外
2.2 PIC/S GMPのGUIDE(参照番号:PI 009)、GUIDE TO GOOD MANUFACTURING PRACTICE FOR MEDICINAL PRODUCTS ANNEXESにある、クオリフィケーションおよびバリデーションのガイド、Annex 15 (Qualification and validation) を参考に、クオリフィケーションを適切に行うこと。
3. 建物・設備にコンピュータ化システムを含む場合は、対象を明確にし、適切に設計、バリデーションおよび保守管理を行うこと。 3. PIC/S GMPのGUIDE(参照番号:PI 009)、GUIDE TO GOOD MANUFACTURING PRACTICE FOR MEDICINAL PRODUCTS ANNEXES、にあるコンピュータ化システムのガイド、Annex 11 (Computerised systems) 、を参考に、コンピュータ化システムの対象を明確にし、適切に設計を行う。 3. PIC/S GMPのGUIDE(参照番号:PI 009)、GUIDE TO GOOD MANUFACTURING PRACTICE FOR MEDICINAL PRODUCTS ANNEXES、にあるコンピュータ化システムのGMP、Annex 11 (Computerised systems) 、を参考に、コンピュータ化システムについて、以下の項目を適切に行う。
・ バリデーション
・ 保守管理
(コンピュータ化システム)
・コンピュータ化システム台帳
・コンピュータ化システム 設計文書
4. 建物・設備の記録は、品質判定の基となるデータ全てを生データとして規定し、完全性を確保すること。 4. PIC/S GUIDANCE(参照番号:PI 041)、GOOD PRACTICES FOR DATA MANAGEMENT AND INTEGRITY IN REGULATED GMP/GDP ENVIRONMENTS、を参考に、品質判定の基となる全データの完全性を確保する。 4. PIC/S GMPのGUIDE(参照番号:PI 009)、GUIDE TO GOOD MANUFACTURING PRACTICE FOR MEDICINAL PRODUCTS ANNEXESにある、クオリフィケーションおよびバリデーションのガイド、Annex 15 (Qualification and validation) を参考に、クオリフィケーションを適切に行う。 (コンピュータ化システム)
・GMPデータリスト
・コンピュータ化システム データ完全性に関する設計文書
その配置及び設計は、過誤のリスクを最小化する旨を目途とするとともに、交叉汚染、塵埃又は汚れの蓄積及び(一般的に)製品品質への悪影響を回避するために、有効な清浄化及び保守管理を可能とするものでなければならない。 5. 建物・設備のレイアウトおよびデザインは、次の内容を意図すること。
・過誤のリスクを最小化する。
・交叉汚染、塵埃/汚れの蓄積、(一般的に)製品品質へのいかなる悪影響を回避するために、有効な清浄化及び保守管理を可能とすること。

(注) )留意点2. を参照のこと。
5. 3.1.以降の要件に包含される。 5. 建物・設備について、以下の項目を適切に行うこと。
・設計全般
・清浄化
・保守管理
(建物・設備)
・設計文書全般
2 第3章建物及び設備 建物 :全般事項 3.1. Premises should be situated in an environment which, when considered together with measures to protect the manufacture, presents minimal risk of causing contamination of materials or products. 製造を保護する方法と併せて考慮して、原材料や製品の汚染を生じるリスクが最小限である環境に、建物を配置すること。 1. 建物は、原材料・製品への汚染を生じるリスクが最小(製造を保護する方法とあわせて)になる環境に配置すること。 1. 建物は、適切な敷地内配置、環境に応じた空調設計により、原材料及び製品への汚染リスクを最小化させる。

例えば、
・環境の悪い立地の場合は、空調機能の強化などの対策をとる。
・給気口は排気口と向き合わない壁面或いは屋上に配置する。
・排気口も同様に給気口に向けないように配置する。
・給気口や入出荷口の位置は季節風の影響を受けない方向に設置する。
・降雪地域では雪が給気口を塞がないような構造とする。
・寒冷地など地域の気温環境に応じた空調設計とする。
1. 環境に応じた保全及び保守の計画を立案し実施する。

例えば、
・フィルターの保守管理
・給排気口の点検
(建築)
・製造所付近略図
・製造所全体配置図

(空調設備)
・空調ダクト図

(注) 留意点1. を参照のこと。
1. 建物に対して、原材料・製品への汚染リスクに関する品質リスクマネジメントを実施する。
3 第3章建物及び設備 建物 :全般事項 3.2. Premises should be carefully maintained, ensuring that repair and maintenance operations do not present any hazard to the quality of products. They should be cleaned and, where applicable, disinfected according to detailed written procedures. 補修及び保守管理の作業が製品の品質に危害をもたらさない旨を確保するよう、建物を注意深く保守管理すること。 3.9. 出発原料及び一次包装材料、中間製品又はバルク製品が露出する環境においては、内装表面(壁、床及び天井)が、平滑でひび割れ及び開放接合部がなく、微粒子物質を脱落させないものであるとともに、容易かつ効果的な清浄化及び(必要であれば)消毒を行えるものであること。

3.10. 配管、照明器具、換気口その他の付帯設備は、清浄化しにくい窪みの形成を回避するよう、設計し、設置すること。保守管理の目的のため、可能な限り製造区域外からアクセス可能であること。

3.11. 排水溝は、適切なサイズで、トラップ付きの落とし込みを有すること。開放溝はなるべく避けるが、(必要であれば)清浄化及び消毒を行いやすいよう浅くすること。

3.12. 製造区域は、取り扱う製品、そこで行われる作業及び外部環境のいずれに対しても適切な空調施設(温度のほか、必要な場合、湿度及びろ過を含む)を使用して、効果的に換気すること。

3.14. 塵埃が発生する場合(例えば、サンプリング、秤量、混合及び加工の作業中、乾燥状態の製品の包装時)は、交叉汚染を回避して清浄化を行いやすくする特別な予防措置を講じること。

3.32. 保守管理の作業場は、製造区域から可能な限り別にすること。部品及び工具を製造区域で保存する場合は、その用途専用の部屋又はロッカー内に保存すること。
1. 建物は、補修や保守管理の作業が製品品質にいかなる危害を示さないように、注意深く保守管理されること。 1. 建物は、補修や保守管理の作業が製品品質にいかなる危害を示さないような構造とする。

例えば、
・補修や保守管理の作業者が適切に入退室出来るようにする。
・工具類の持ち込み・持ち出しが適切に出来るようにする。
・補修や保守管理時、適用する場合、室圧逆転が無いようクリーンルームの停止・再立ち上げ(必要に応じて、消毒や除染を含む)を設定する。
・機器の保守を機械室側から出来るような配置とする。

その他、製造区域内の対応例については、、【「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件】の3.10, 3.12, 3.32項を参照のこと。
1. 補修や保守管理作業を実施することにより生じる汚染等が、製品品質にいかなる危害を示さないように、保全計画及び保守作業手順書を作成し、実行する。

例えば、
・クリーンルームの入退室手順書
・工具類の持ち込み・持ち出し手順書
・仮設計画書
・クリーンアップ手順書

その他、製造区域内の対応例については、、【「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件】の3.10, 3.12, 3.32項を参照のこと。
(建築)
・ゾーニング図
・動線図
・機器配置図
1. 本項目は、構造設備の構築に係わる要件ではなく、運用に係わる要件である。

2.保守管理作業者の入退管理に入退管理システムを用いる場合もある。
詳細な手順書に基づいて清浄化及び(該当する場合)消毒すること。 2. 建物は、詳細に文書化された手順に基づいて清浄化及び、(該当する場合)消毒されること。 2. 建物は、清掃が容易に行えるような構造と材質にする。該当する場合は、消毒剤、除染剤に耐えられる材質を選定する。

例えば、 
・水洗いする部屋は防水仕様とする。
・過酸化水素ガス等を用いた除染システムを導入する。

その他、製造区域内の対応例については、、【「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件】の3.9, 3.10, 3.11, 3.14項を参照のこと。
2. 清掃管理手順書、個々の清掃手順書、残留評価基準を作成し、実行、記録する。さらに定期的に再評価、改善を行う。該当する場合は、消毒に関しても同様とする。なお、洗浄剤、消毒剤、除染剤は製品への影響を評価し使用する。

その他、製造区域内の対応例については、、【「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件】の3.9, 3.10, 3.11, 3.14項を参照のこと。
(建築)
・仕上表
・防水範囲図

適用する場合、
(建築)
・除染範囲図

適用する場合、
(空調設備)
・除染設備仕様書
4 第3章建物及び設備 建物 : 全般事項 3.3. Lighting, temperature, humidity and ventilation should be appropriate and such that they do not adversely affect, directly or indirectly, either the medicinal products during their manufacture and storage, or the accurate functioning of equipment. 照明、温度、湿度及び換気が適切であり、それらが製造及び貯蔵中の医薬品並びに装置の正確な作動のどちらにも、それらが(直接的又は間接的に)悪影響を及ぼさないこと。 3.12. 製造区域は、取り扱う製品、そこで行われる作業及び外部環境のいずれに対しても適切な空調施設(温度のほか、必要な場合、湿度及びろ過を含む)を使用して、効果的に換気すること。

3.13. 出発原料の秤量は通常、斯かる用途のために設計された、別の秤量室で行うこと。

3.16. 製造区域(特に目視によるライン内管理を実施する場所)は、十分な明るさであること。

3.19. 貯蔵区域は、良好な保存条件を確保するよう設計又は構成すること。特に、当該区域は、清潔で湿気のない状態とし、許容される温度限度値内に保守管理すること。特別な保存条件(例えば温度、湿度)が求められる場合は、それら条件を規定し、チェックし、モニターすること。

3.27. 管理試験施設は、そこで行われる作業に適するよう設計すること。混同及び交叉汚染を避けるため十分なスペースを設けること。検体及び記録書のための適切かつ十分な貯蔵スペースがあること。

5.7. 全ての原材料及び製品は、当該製造業者が定めた適切な条件下で、バッチの隔離及び在庫のローテーションが可能となるよう整然と貯蔵すること。

5.10. 工程の各段階で、原材料及び製品を微生物その他の汚染から保護すること。

5.41. 中間製品及びバルク製品を、適切な条件下で保管すること。

5.63. 最終製品は、その最終的な出荷可否判定まで、製造業者が定めた条件下で区分保管すること。

5.65. 合格判定された最終製品は、使用可能な状態の在庫として、製造業者が定めた条件下で貯蔵すること。
1. 照明、温度、湿度及び換気は適切であり、以下に対して直接的または間接的に悪影響を及ぼさないこと。

・製造および貯蔵中の医薬品
・機器の正確な作動
1.1 製造及び貯蔵中の医薬品、又は機器の正確な作動に対して悪影響を及ぼさないように照明の基準を設定する。

例えば、
・機器配置と照明器具配置では、暗部を作らないようにする。
・作業あるいは検査の判定に悪影響を与えない十分な照度を設定する。
・光に反応する薬品については遮光する区域や部屋を設定する。

その他、各区域内の対応例については、次の各項を参照のこと。
・ 製造区域: 3.13, 3.16
・ 品質管理区域:3.27
1.1 環境モニタリングプログラムを作成し、照度をモニタリングする。

その他、各区域内の対応例については、次の各項を参照のこと。
・ 製造区域: 3.13, 3.16
・ 品質管理区域:3.27
(照明設備)
・各室諸元表(照明)
・照明器具図・照明設備平面図
1.2 製造及び貯蔵中の医薬品、又は機器の正確な作動に対して悪影響を及ぼさないように温湿度及び換気の基準を設定する。

例えば、
・製造/貯蔵区域および機器設置場所において許容する温湿度を確保するために空気を滞留させないようにする。
・クリーンルームはその清浄度を確保するのに必要なフィルターの仕様及び十分な換気回数を設定する。
・空調気流により、秤などの機器動作に悪影響をおよぼさないように配置する。

その他、各区域内の対応例については、次の各項を参照のこと。
・ 製造区域: 3.12, 3.13
・ 貯蔵区域: 3.19
・ 品質管理区域:3.27
1.2 環境モニタリングプログラムを作成し、温湿度及び換気をモニタリングする。

その他、各区域内の対応例については、次の各項を参照のこと。
・ 製造区域: 3.12, 3.13
・ 保管区域: 3.19
・ 品質管理区域:3.27
(空調設備)
・各室諸元表(空調)

(生産設備)
・機器リスト
・機器仕様書
5 第3章建物及び設備 建物 : 全般事項 3.4. Premises should be designed and equipped so as to afford maximum protection against the entry of insects or other animals. 昆虫その他の動物の侵入から最大限に保護することができるよう、建物を設計し、装備すること。 1. 建物は昆虫又は他の動物の侵入を最大限に保護するように設計し、装備すること。 1. 建築、空調衛生設備、照明設備等、総合的に防虫防鼠対策を行う。

例えば、
(建築)
・建物周囲の離隔(犬走り等)
・建物外壁と内部区画の密閉
・何重ものエアロック
・人の入退時の更衣
・区画内に搬入する資材の制限
(紙類、木材等)
・資材を搬入する際の清掃
・虫が好む光の漏れ防止として、
 ‐ 防虫区画の設定
 (壁が上階のスラブ下まで立上げ)
 ‐ 外周りの窓に防虫フィルムの施工
なお、汎用アルミサッシ建具、扉の鍵穴は、密閉 性が不十分なので留意すること。

(空調衛生設備)
・給気口と排気口のフィルタリング
・貫通配線/配管のシール
・廃液配管の逆流防止機構
・エアギャップの設定

(照明設備)
・外部に光が漏れる可能性のある場所にイエローランプの採用
・外灯に低誘虫灯の採用

(排水設備)
排水へのトラップの設置
1. 防虫防鼠管理計画、トラップ設置図を作成し、モニタリングする。 (全般)
・防虫防鼠対応設計コンセプト

(建築)
・防虫区画図
・動線図
・建具表
・建具キープラン
・外構図

(照明設備)
・照明器具図
・照明設備平面図

(空調設備)
・空調系統図
・空調機器仕様書

(排水設備)
・一般排水系統図
・一般排水配管図
・生産排水系統図
・生産排水配管図
6 第3章建物及び設備 建物 : 全般事項 3.5. Steps should be taken in order to prevent the entry of unauthorised people. Production, storage and quality control areas should not be used as a right of way by personnel who do not work in them. 許可されていない人の立入りを防止する方策が講じられていること。製造、貯蔵及び品質管理区域は、そこで作業しない人員が通路として使用してはならない。 5.16 製造建物への立入は、許可された者に限定すること。 5.41 印刷された材料に対して、特別の注意を払うこと。 印刷された材料は、無許可立入を排除するよう適切に安全な状態で保管すること。カットラベル及び他の離散しやすい印刷された材料は、混同を回避するよう別々の閉じた容器中で保管及び搬送すること。包装材料の払出しは、承認された手順書に従って、認定された人員のみが行うこと。 1. 許可されていない人の建物内への立ち入りを防止するための手段を講じること。 1.1 建物の出入口に警備員を配し入退管理を行えるようにレイアウトし、通信システムを配備する。 1.1.1 建物の出入口に警備員を配し入退管理を行う。 (建築)
・製造所全体配置図
・動線図

適用する場合、
(入退管理システム)
・入退管理システム機能仕様書
・入退管理システム設計仕様書

適用する場合、
(セキュリティ設備)
・セキュリティ設備仕様書
1.1.2 外部の人には、教育を受けた者が窓口となり、案内する。
1.2 出入口以外からの侵入防止を図るために、塀などによる囲いを設置する。 1.2 出入口以外からの侵入がないか、警備員による監視を行う。
1.3 1.1項と1.2項に加えて、必要に応じて、入退管理システム(カードリーダー等)や監視カメラなどのセキュリティシステムを設置する。 1.3 1.1.1項、1.1.2.項、1.2.項に準じる。
2. 製造、貯蔵、品質管理区域は、そこで作業しない人に通路として使用させないこと。(品質管理者は製造/貯蔵区域に立入り可) 2.1 製造、包装、貯蔵、品質管理区域をそれぞれ独立させ、各区域出入口での記帳により、そこで作業しない人のアクセス制限ができるように配置する。 2.1 製造、包装、貯蔵、品質管理区域の各出入口にて記帳管理を行い、作業しない人のアクセス制限を行う。 (建築)
・動線図

適用する場合、
(入退管理システム)
・入退管理システム機能仕様書
・入退管理システム設計仕様書
2.2 製造、包装、貯蔵、品質管理区域をそれぞれ独立させ、各区域への入退管理をコンピュータ化システムで行えるよう、入退管理システム(カードリーダー等)を設置する。 2.2 製造、包装、貯蔵、品質管理区域の出入口の入退管理を、コンピュータ化システムにて行う。
7 第3章建物及び設備 建物 : 製造区域 3.6. Cross-contamination should be prevented for all products by appropriate design and operation of manufacturing facilities. The measures to prevent cross-contamination should be commensurate with the risks. Quality Risk Management principles should be used to assess and control the risks. Depending of the level of risk, it may be necessary to dedicate premises and equipment for manufacturing and/or packaging operations to control the risk presented by some medicinal products. Dedicated facilities are required for manufacturing when a medicinal product presents a risk because:
i. the risk cannot be adequately controlled by operational and/ or technical measures,
ii. scientific data from thetoxicological evaluation does not support a controllable risk (e.g. allergenic potential from highly sensitising materials such as beta-lactams) or
iii. relevant residue limits, derived from the toxicological evaluation, cannot be satisfactorily determined by a validated analytical method.
Further guidance can be found in Chapter 5 and in Annexes 2, 3, 4, 5 & 6.
製造施設の適切な設計及び運用により、全ての製品について交叉汚染を防止すること。リスクに相応した交叉汚染防止措置を講じること。品質リスクマネジメントの原則を用いて、当該リスクを評価及び管理すること。
リスクのレベルによっては、製造・包装作業に係る建物及び設備を専用化して、ある種の医薬品がもたらすリスクを管理することが必要な場合がある。
医薬品が以下のリスクを呈する場合は、製造に専用施設が求められる。

i. 運用上の措置及び/又は技術的措置によって適切に管理することができないリスク
ii. 毒性学的評価による科学的データで、管理可能であると裏付けられないリスク
(例えば、β -ラクタム等の高感作性物質によるアレルギー誘発性)
iii. 関連物質の残留限度値(毒性学的評価から得られたもの) が、バリデートされた分析法によって適切に定量できない。

更なるガイダンスを第5 章及びアネックス2 、3 、4 、5 及び6 に示す。
5.11. 乾燥状態の原材料及び製品を作業する際は、塵埃の発生及び拡散を防止するため特別な予防措置を講じること。これは特に、高度に危険な(高感作性を含む)物質の取扱いに当てはまる。

5.17. 医薬品の製造に係る区域内及び設備で、医薬品でない製品を製造することは、通常、避けること。ただし、第3 章及び以下に記述されている医薬品の交叉汚染を防止する措置を適用し得る場合において、その妥当性を示すことができれば、許容され得る。医薬品の製造・貯蔵に使われる区域内で、毒物( 例えば、殺虫剤( 医薬品の製造に用いられる場合を除く) 及び除草剤) の製造・貯蔵を行うことは許されない。

5.18. 別の原材料又は製品による、出発原料又は製品の汚染を防止すること。原薬その他の出発原料、工程中の原材料及び製品、設備上の残留物、並びに作業員の着衣から、塵埃、ガス、蒸気、エアゾール、遺伝物質又は微生物が制御されずに流出することに起因する不慮の交叉汚染のリスクを評価すること。こうしたリスクの重大性は、汚染物質の性質及び汚染される製品の性質により異なる。交叉汚染が最も重大となりやすい製品は、注射で投与される製品及び長期間にわたって施用される製品である。ただし、当該汚染の性質及び程度によっては、あらゆる製品の汚染が患者の安全性に対するリスクをもたらす。

5.19. 第3 章に記述されているように、建物及び設備の設計に留意して交叉汚染を防止すること。適切な技術的措置又は組織的措置(交叉汚染のリスクを制御するための効果的かつ再現性のある清浄化プロセスを含む)のプロセス設計及び実施に留意することにより、交叉汚染の防止が支持される。

5.20. 品質リスクマネジメントのプロセス(活性及び毒性の評価を含む)を用いて、製造する製品の交叉汚染リスクを評価し、管理すること。建物/設備の設計及び用途、人員及び原材料の動線、微生物管理、原薬の物理化学的特性、工程特性、清浄化プロセス、及び当該製品の評価から定めた関連物質の限度値に応じた分析能力等の要素も考慮すること。品質リスクマネジメントのプロセスの結果に基づいて、建物及び設備を特定の製品又は製品群に専用化する必要性及び範囲を確定させること。特定の製品に触れる部位を専用化する、又は製造建物全体を専用化することも含まれ得る。その妥当性を示すことができれば、複数製品を扱う建物内において、隔離された封じ込め製造区域に製造活動を限定することも許容され得る。

5.21. 品質リスクマネジメントのプロセスの結果に基づいて、交叉汚染に係るリスクを管理するため求められる技術的措置及び組織的措置の範囲を確定させること。技術的措置及び組織的措置には以下が含まれ得るが、これらに限らない。

技術的措置

i . 専用化された製造建物(建物及び設備)
i i . 区別された工程設備及び区別された加温・換気・空調(H V A C)システムを有する、封じ込め製造区域。特定のユーティリティを、別区域で用いられるユーティリティから分離することが望ましい場合がある。
i i i . 工程中、保守管理中及び清浄化中における交叉汚染に係るリスクを最小化するよう製造工程、建物及び設備を設計する。
i v . 工程及び原材料/製品の設備間の移動に「閉鎖システム」を用いる。
v . 封込め措置として物理的バリアシステム(アイソレータを含む)を用いる。
vi. 汚染物質の発生源付近の塵埃を制御し除去する(例えば、局所排気)。
v i i . 設備を専用化する。製品に接触する部品又は清浄化が比較的困難と選定された部品(例えば、フィルタ)を専用化する。保守管理用器具を専用化する。
v i i i . シングルユースのディスポーザブル技術を用いる。
i x . 清浄化を容易に行えるよう設計された設備を用いる。
x . 潜在的な浮遊性汚染物質を特定区域内に封じ込めるよう、エアロック及び気圧カスケードを適切に用いる。
x i . 未処理又は処理が不十分な空気の再循環又は再流入に起因する汚染リスクを最小化する。
x i i . 有効性がバリデートされた自動CIP(定置洗浄)システムを用いる。
x i i i . 共用の一般洗浄区域について、設備の洗浄、乾燥及び貯蔵の場所を分ける。
1. 生産建物の適切な設計及び運用により、全ての製品について、 交叉汚染を防止すること。品質リスクマネジメントの原則を用いて、リスクに相応した交叉汚染防止措置を講じ、当該リスクを評価及び管理すること。

(注) 留意点4. を参照のこと。
1. 品質リスク(交叉汚染に対して)に相応した交叉汚染防止措置を講じること。

対応については、【「3章の構造設備要件」】および【「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件】の関連する項を参照のこと。
1. 品質リスク(交叉汚染に対して)を評価及び管理すること。

対応については、【「3章の構造設備要件」】および【「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件】の関連する項を参照のこと。
(全般)
品質リスクアセスメントシート(製造区域における交叉汚染に対して)
1. 製造建物に対して、全製品の交叉汚染に関する品質リスクマネジメントを実施する。要件が明確なので、「構造設備要件の対応を示す設計文書例」に記載した。

リスクアセスメントの方法は、患者へのリスクの程度に相応し、例えば以下の方法による。
① 議事録等などの簡易的な方法
② 形式的な方法(FMEA等)

2.封じ込めは取扱物質が乾燥して発塵し易い物質の場合は厳格に行う(5.11章)

3.汚染が重大な問題となる注射剤や高容量剤は、より厳格な封じ込めを行う(5.18章)

4. PIC/S GMPでは、Manufacturingの定義は、PIC/S GMPのGUIDE(参照番号:PI 009)、GUIDE TO GOOD MANUFACTURING PRACTICE FOR MEDICINAL PRODUCTS ANNEXESにある用語の定義、GLOSSARY,にて、”All operations of purchase of materials and products, Production, Quality Control, release, storage, distribution of medicinal products and the related controls.”とあり、製造だけでなく品質管理なども含むので「生産」とした。(共通)
2. 医薬品が以下のリスクを呈する場合は、生産・包装作業に係る建物及び設備を専用化を行い、ある種の医薬品がもたらすリスクを管理すること。
・運用上の措置及び/又は技術的な措置によって適切に管理することができないリスク
・毒性学的評価による科学的データで、管理可能であると裏付けられないリスク
( 例えば、β -ラクタム等の高感作物質によるアレルギー誘発性)
・関連物質の残留限度値( 毒性学的評価から得られたもの) が、バリデートされた分析法によって適切に定量できない。

(注) 留意点4. を参照のこと。
2.1 医薬品が以下のリスクを呈する場合は、生産・包装作業に係る建物及び設備を専用化すること。専用化の程度は、建物を分離させる場合や、同一の建物内に専用建物を設置する場合もある。いずれにせよ、次のリスクに相応しなければならない。
・運用上の措置及び/又は技術的な措置によって適切に管理することができないリスク
・毒性学的評価による科学的データで、管理可能であると裏付けられないリスク
( 例えば、β -ラクタム等の高感作物質によるアレルギー誘発性)
・関連物質の残留限度値( 毒性学的評価から得られたもの) が、バリデートされた分析法によって適切に定量できない。

その他、専用化の程度については、、【「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件】の5.17. 5.18. 5.19 .5.20.項も参照のこと。
2.1 対応については、【「3章の構造設備要件」】および【「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件】の関連する項を参照のこと。 (全般)
品質リスクアセスメントシート(製造区域における交叉汚染に対して)
2.2 品質リスクの程度により、分離させた建物に当該医薬品を生産するための専用建物を設置し、封じ込めを行う場合は、例えば次の対策を講じる。

・閉鎖系設備やアイソレータ等による一次バリアを採用する。
・交叉汚染による重篤な医学的危害のリスクのある物質の取扱区域を空調的に封じ込める二次バリアを設定し、必要に応じて扉にインターロック、エアロック及び気圧カスケードを適切に用いる。
・交叉汚染による重篤な医学的危害のリスクのある物質の外部への流出を防ぐため、局所排気設備や集塵設備を設け、バグフィルター、HEPAフィルターあるいはスクラバーにて回収する。
・機器の洗浄により発生した交叉汚染による重篤な医学的危害のリスクのある物質を含む廃液及び廃水は、槽または容器にて回収する。
排水の系統は一般の排水と分ける。
・交叉汚染による重篤な医学的危害のリスクのある物質の付着が懸念される器具類や作業衣、廃棄物等は、洗浄および脱汚染後に搬出する。
・交叉汚染による重篤な医学的危害のリスクのある物質の付着が懸念される作業衣等を脱衣し、付着の懸念の無い作業衣等に更衣するための更衣室を設置する。

その他、対応例については、、【「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件】の5.21項を参照のこと。
2.2 封じ込めのための手順と 封じ込め評価(建物外への漏洩)を定期的に実施する。

例えば、
・アイソレータのリークテストを定期的に実施する。
・室圧及び気流方向をモニタリングし、二次バリアが確立されていることを確認する。
・定期的に設備やダクトからの漏洩、フィルターの目詰まり及びリークを確認し、劣化が認められた場合には補修又は交換を行う。
・定期的に槽や容器ならびに配管からの漏洩の有無を確認し、劣化が認められた場合には補修又は交換を行う。
・搬出物に対して、定期的に暴露評価を実施する。
・交叉汚染による重篤な医学的危害のリスクのある物質を取り扱う区域内では保護衣を着用し、区域外への退出時に脱衣する。
・退出者に対して、定期的に暴露評価を実施する。

その他、対応例については、、【「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件】の5.21項を参照のこと。
【建物を分離あるいは建物を専用化する場合】
(全般)
・封じ込め設計コンセプト
・交叉汚染防止設計コンセプト

(建築)
・製造所全体配置図
・ゾーニング図
・動線図
・建具表
・建具キープラン
・建築納まり標準図

(電気設備)
・電気錠インターロック仕様書

(空調設備)
・空調系統区分図
・空調系統図(局排・集塵含む)
・室圧・気流方向図

(排水設備)
・一般排水系統図
・生産排水系統図

(封じ込め機器)
・封じ込め機器構成図(排水・排気含む)
2.3 品質リスクの程度により、同一建物内に当該医薬品を生産するための専用建物を設置し、封じ込めを行う場合は、例えば、2,2に加え下記の事項を考慮する。

・専用建物の作業員、原料、資材、中間製品、製品の廊下及び通路のうち、漏洩に起因する交叉汚染の恐れがあるものは専用とし、他の建物との兼用を避ける。
・専用建物の空調設備を専用とし、他の建物との兼用を避ける。
・特定のユーティリティを、別区域で用いられるユーティリティから分離することが望ましい場合がある。

その他、対応例については、、【「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件】の5.21項を参照のこと。
2.3 封じ込めのための手順と封じ込め評価(建物外への漏洩)を定期的に実施する。

例えば、2.2に加え下記が必要となる。

・定期的に共通廊下の清浄化を行い、当該医薬品の専用建物から共通廊下への漏洩が無いことを確認する。
・専用建物と隣接する建物間の差圧を常時モニタリングする。
・専用建物の空調設備から隣接する建物(例えば、天井内)へ、当該医薬品の漏洩がないことを定期的に確認する。

その他、対応例については、、【「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件】の5.21項を参照のこと。
2.4 品質リスクの程度により、 当該医薬品を製造するための建物を他の医薬品製造建物と共有化する場合は、例えば、【「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件】の5.19. 5.20. 5.21項を参照のこと。 2.4 例えば、下記の対応を行う。

・キャンペーン生産を行った後は、洗浄バリデーションにより適格性が確認された方法で適切に洗浄を行う。
・交叉汚染を防止する手段及びその有効性を、所定の手順書に従って定期的にチェックする。

その他、対応例については、、【「3章の構造設備要件」に係わる他項の主な構造設備要件】の5.21項を参照のこと。
【建物を共有化してキャンペーン生産を行う場合】

(全般)
・封じ込め設計コンセプト
・交叉汚染防止設計コンセプト

(建築)
・製造所全体配置図
・ゾーニング図
・動線図
・建具表
・建具キープラン
・建築納まり標準図

(電気設備)
・電気錠インターロック仕様書

(空調設備)
・空調系統区分図
・空調系統図(局排・集塵含む)
・室圧・気流方向図

(排水設備)
・一般排水系統図
・生産排水系統図

(封じ込め機器)
・封じ込め機器構成図(排水・排気含む)
【建物を共有化してキャンペーン生産を行う場合】
(全般)
・封じ込め設計コンセプト
・交叉汚染防止設計コンセプト

(建築)
・製造所全体配置図
・ゾーニング図
・動線図
・建具表
・建具キープラン
・建築納まり標準図

(電気設備)
・電気錠インターロック仕様書

(空調設備)
・空調系統区分図
・空調系統図(局排・集塵含む)
・室圧・気流方向図

(排水設備)
・一般排水系統図
・生産排水系統図

(封じ込め機器)
・封じ込め機器構成図(排水・排気含む)
8 第3章建物及び設備 建物 : 製造区域 3.7. Premises should preferably be laid out in such a way as to allow the production to take place in areas connected in a logical order corresponding to the sequence of the operations and to the requisite cleanliness levels. 作業の流れ及び必要な清浄度レベルに応じた論理的な順序で連結した区域において製造が行われるよう、建物を配置することが望ましい。 3.13. 出発原料の秤量は通常、斯かる用途のために設計された、別の秤量室で行うこと。

3.17. 工程内管理は、製造にリスクをもたらさない限りにおいて、製造区域内で実施してもよい。

5.9. 異なる製品についての作業は、混同及び交叉汚染のリスクが皆無でない限り、同じ作業室で同時に又は連続して行ってはならない。

5.10. 工程の各段階で、原材料及び製品を微生物その他の汚染から保護すること。

5.21. 品質リスクマネジメントのプロセスの結果に基づいて、交叉汚染に係るリスクを管理するため求められる技術的措置及び組織的措置の範囲を確定させること。技術的措置及び組織的措置には以下が含まれ得るが、これらに限らない。

技術的措置
i i i . 工程中、保守管理中及び清浄化中における交叉汚染に係るリスクを最小化するよう製造工程、建物及び設備を設計する。

x . 潜在的な浮遊性汚染物質を特定区域内に封じ込めるよう、エアロック及び気圧カスケードを適切に用いる。

x i i i . 共用の一般洗浄区域について、設備の洗浄、乾燥及び貯蔵の場所を分ける。
1. 建物のレイアウトは、作業フローや清浄度レベルに応じて論理的な順序で製造できるように配置すること。 1. 施設のレイアウトは、作業フロー及び清浄度レベルに応じ論理的な順序で製造できるように配置する。

例えば、
・作業工程の流れと各工程の清浄度レベルを考慮し、原材料、資材、中間品、製品の受け渡しや作業員の更衣の流れに不整合が無いよう配置する。
・出発原料の秤量を行うための秤量室を設ける。
・製造区域内で工程内管理を行う場所では、工程内管理が製造に対して品質リスクを及ぼさないように、施設のレイアウトを計画する。
・適切な箇所(じん埃の侵入・流出を防ぐため室圧の陽圧・陰圧化ならびに、扉の同時開放を防ぐインターロック機能を設けた部屋が必要な箇所)にエアロックを設ける。
・(指定された者に限定するために、)払い出し作業をする箇所には施錠又はセキュリティシステムを設ける。
'1. 製造はあらかじめ定められた手順書に従い実施する。
例えば、
・製造区域に立ち入る全ての者は、実施する作業に応じた適切な保護衣を着用し、必要に応じて、手洗いを実施する。
・交叉汚染の特別なリスクを伴う製品が加工処理される区域内では保護衣を着用する。
・工程の各段階において、製品及び原材料を微生物及び他の汚染から保護する。
・異なる製品についての作業は、混同又は交叉汚染のリスクが皆無である場合を除き、同じ作業室で同時に又は連続して行なわない。
・出発原料の秤量は、分離された秤量室で行う。
・工程内管理は、必要に応じて、分離された工程内管理室で行う。
・エアロックを手順書に従い適切に運用管理する。
・施錠やセキュリティシステムを手順書に従い適切に運用管理する。
(全般)
・製造工程フロー図

(建築)
・ゾーニング図
・動線図
・機器配置図

(空調設備)
・空調系統区分図

(電気設備)
・電気錠インターロック仕様書

適用する場合、
(セキュリティ設備)
・セキュリティ設備仕様書
1. 和訳への修正案

和訳
「・・・に応じた、論理的な順序で連結した区域において製造が行われるよう、・・・」



分科会提案
「に応じて、区域での製造が論理的な順序で連結されるよう、・・・」
9 第3章建物及び設備 建物 : 製造区域 3.8. The adequacy of the working and in-process storage space should permit the orderly and logical positioning of equipment and materials so as to minimise the risk of confusion between different medicinal products or their components, to avoid cross-contamination and to minimise the risk of omission or wrong application of any of the manufacturing or control steps. 異なる医薬品又はその構成物の混同のリスクを最小化するよう、適切な作業スペース及び工程内貯蔵スペースに設備及び原材料を整然と論理的に配置して、交叉汚染を回避するとともに製造又は管理ステップの実施漏れ又は誤った実施のリスクを最小化すること。 3.17. 工程内管理は、製造にリスクをもたらさない限りにおいて、製造区域内で実施してもよい。

3.38. 設備は、過誤及び汚染を防止するように設置すること。

5.9. 異なる製品についての作業は、混同及び交叉汚染のリスクが皆無でない限り、同じ作業室で同時に又は連続して行ってはならない。

5.10. 工程の各段階で、原材料及び製品を微生物その他の汚染から保護すること。

5.18. 別の原材料又は製品による、出発原料又は製品の汚染を防止すること。原薬その他の出発原料、工程中の原材料及び製品、設備上の残留物、並びに作業員の着衣から、塵埃、ガス、蒸気、エアゾール、遺伝物質又は微生物が制御されずに流出することに起因する不慮の交叉汚染のリスクを評価すること。こうしたリスクの重大性は、汚染物質の性質及び汚染される製品の性質により異なる。交叉汚染が最も重大となりやすい製品は、注射で投与される製品及び長期間にわたって施用される製品である。ただし、当該汚染の性質及び程度によっては、あらゆる製品の汚染が患者の安全性に対するリスクをもたらす。
1. 作業/工程内保管スペースでは、機器・原材料を整然と論理的に配置し、以下の内容を達成すること。
・ 異なる医薬品やこれら成分との混同リスクの最小化
・ 交叉汚染の回避
・ 生産/管理の各段階における、実施漏れ/間違いリスクの最小化

(注) 3.6.項の留意点4.、本項の留意点1.2. を参照のこと。
1.1 作業及び工程内貯蔵スペースは、機器及び原材料を整然と論理的に配置する。 1.1.1 生産管理および品質管理を定めた手順書(混同リスクの最小化、交叉汚染の回避および作業エラーリスクの最小化を意図)に従い実施する。 (全般)
・マテリアルバランスシート

(建築)
・機器配置図

適用する場合、
(自動倉庫)
・自動倉庫管理システム機能仕様書
・自動倉庫管理システム設計仕様書

(注) 留意点1. 、2.を参照のこと。
1. 製造区域の作業スペース・工程内貯蔵スペースに対して、混同リスク関する品質リスクマネジメントを実施する。

2. 製造区域において、生産又は管理ステップの実施漏れ又は誤った実施のリスクに関する品質リスクマネジメントを実施する。
1.1.2 異なる製品についての作業は、混同又は交叉汚染のリスクが皆無である場合を除き、同一の作業室で同時に又は連続して行わない。
1.1.2 異なる製品についての作業は、混同又は交叉汚染のリスクが皆無である場合を除き、同一の作業室で同時に又は連続して行わない。
1.2 製造区域内で工程内管理を行う場所では、工程内管理が製造に対して品質リスクを及ぼさないように、機器の配置を計画する。 1.2 製造区域内で工程内管理を行う場所では、工程内管理が製造に対して品質リスクを及ぼさないように、機器の配置を計画する。
1.3 工程途中で発生する中間製品の仮置場所を論理的な順序で配置する。 1.3 工程途中で発生する中間製品の仮置場所を論理的な順序で配置する。
1.4 中間製品等の貯蔵のために自動倉庫等を設置する。 1.4 中間製品等の貯蔵のために自動倉庫等を設置する。
1.4 中間製品等の貯蔵のために自動倉庫等を設置する。 1.5 5.18項に挙げられた高い交叉汚染リスクのケースについてはより厳格な封じ込め設計(例えば、アイソレーターの活用)を行う。
1.6 二次包装ライン間にパーテーションを設置する。(可動式ローパーテーション設置含む) 1.6 二次包装ライン間にパーテーションを設置する。(可動式ローパーテーション設置含む)
10 第3章建物及び設備 建物 : 製造区域 3.9. Where starting and primary packaging materials, intermediate or bulk products are exposed to the environment, interior surfaces (walls, floors and ceilings) should be smooth, free from cracks and open joints, and should not shed particulate matter and should permit easy and effective cleaning and, if necessary, disinfection. 出発原料及び一次包装材料、中間製品又はバルク製品が露出する環境においては、内装表面(壁、床及び天井)が、平滑でひび割れ及び開放接合部がなく、微粒子物質を脱落させないものであるとともに、容易かつ効果的な清浄化及び(必要であれば)消毒を行えるものであること。 3.22. 通常、出発原料に別の検体採取区域があること。検体採取を貯蔵区域で実施する場合は、汚染及び交叉汚染を防止するように行うこと。 1. 出発原料・一次包装材料・中間製品・バルク製品が環境に露出する環境では、壁・床・天井を以下の仕様にすること。
・平滑
・ひび割れや開放接合部がない
・粒子状物質の脱落がない
・容易かつ効果的な清浄化が行える
・容易かつ効果的な消毒が行える(必要な場合)
1. 露出区域の壁、床及び天井は、平滑でひび割れ、開放接合部及び粒子状物質の脱落がなく、容易かつ効果的な清浄化及び消毒(必要な場合)が行える仕様とする。

例えば、
・巾木部や廻り縁をR形状とする。
・内装材接続部、建具等取合い部はシール処理を行う。
・制御盤等、上部が埃溜りとなる形状の機器は壁に埋め込むか、または、上部に幕板を設置する。
・窓枠等の建具は斜め形状とするか、あるいは窓面と壁面を面一として、埃が溜まらない形状とする。
1.1 工程作業を開始する前に、手順書に基づき清浄であることを確認する。 (全般)
・製造工程フロー図(出発原料、一次包装材料、中間製品、バルク製品の環境への暴露箇所を明示)
・汚染防止設計コンセプト

(建築)
・仕上表(製造区域)
・建具表(製造区域)
・建具キープラン
・建築納まり標準図
1. 本要件では建物内部の表面を壁、床及び天井としているが、建具も建物内部表面に該当するため、同様の対応が必要。

2. 清浄化および消毒性に関する構造要件は、他にも、電気設備、空調設備、給排水・衛生設備、製薬用水設備に対する3.10.および設備に対する3.36.がある。
1.2 暴露区域では手順書に基づき、定期清掃、壁、床及び天井の定期点検を行い、記録する。ひび割れ等が発見された場合は、手順書に基づき、ただちに補修する。
11 第3章建物及び設備 建物 : 製造区域 3.10. Pipe work, light fittings, ventilation points and other services should be designed and sited to avoid the creation of recesses which are difficult to clean. As far as possible, for maintenance purposes, they should be accessible from outside the manufacturing areas. 配管、照明器具、換気口その他の付帯設備は、清浄化しにくい窪みの形成を回避するよう、設計し、設置すること。保守管理の目的のため、可能な限り製造区域外からアクセス可能であること。 1.配管は、清浄化しにくい窪みの形成を回避するように設計および設置すること。
また、できる限り生産区域外から保守できること。

(注) 3.6.項の留意点4. を参照のこと。
1.1 室内に露出する配管は、清浄化しやすいような位置に設置する。

例えば、
・ユースポイントに対し天井より垂直に立ち下げ、極力横引きを避けじん埃等の堆積を防ぐ構造とする。
・フランジあるいは継ぎ手は室内への設置を極力避ける。室内に設ける場合は、カバーなどによりじん埃等の堆積を防ぐ構造とする。
・バルブは室内への設置を極力避ける。室内に設ける場合は清浄化しやすい位置に設置する。
1.1.1工程作業を開始する前に、手順書に基づき清浄であることを確認する。 (全般)
・配管設計基準
・設備納まり標準図(製造区域)

(給排水・衛生設備)
・給水配管図(製造区域室)

(製薬用水設備)
・製薬用水配管図(製造区域室)

(プロセス・ユーティリティ配管)
・プロセス配管図(製造区域室)
・ユーティリティ配管図(製造区域室)
1.本要件にはあたらないが、照明設備の対応として、交換寿命の長いLEDの採用も考えられる。
1.1.2 定期的に室内露出表面の清浄状態を確認し、必要に応じて清掃を行う。
1.2 バルブなど保守管理を必要とするものは、室内への設置を可能な限り避ける。 1.2 製造区域外からアクセスし、消耗品の交換ならびに、劣化あるいは故障した箇所の補修あるいは交換を行う。
2.照明器具は、清浄化しにくい窪みの形成を回避するように設計および設置すること。
また、できる限り生産区域外から保守できること。

(注) 3.6.項の留意点4. を参照のこと。
2.1 照明器具は電球が露出しないカバー付の器具を採用する。 2.1 定期的に室内露出表面の清浄状態を確認し、必要に応じて清掃を行う。 (全般)
・設備納まり標準図(製造区域)

(照明設備)
・照明器具図(製造区域)
・照明設備平面図(製造区域)
2.2 照明器具は天井裏から電球交換が可能な構造のものを可能な限り採用する。 2.2 製造区域外からアクセスし、消耗品の交換ならびに、劣化あるいは故障した箇所の補修あるいは交換を行う。
3.換気口は、清浄化しにくい窪みの形成を回避するように設計および設置すること。
また、できる限り生産区域外から保守できること。

(注) 3.6.項の留意点4. を参照のこと。
3.1 吹出口、吸込口は平滑な材質で窪みが無く、清掃の行いやすい構造とする。 3.1 定期的に室内露出表面の清浄状態を確認し、必要に応じて清掃を行う。 (全般)
・設備納まり標準図(製造区域)
3.2 室内に露出するダクトはユースポイントに対し、天井より垂直に立ち下げ、横引きを避けじん埃等の堆積を防ぐ構造とする。 3.2 定期的に室内露出表面の清浄状態を確認し、必要に応じて清掃を行う。
3.3 フランジあるいは継ぎ手は室内への設置を極力避ける。室内に設ける場合は、カバーなどによりじん埃等の堆積を防ぐ構造とする。 3.3 定期的に室内露出表面の清浄状態を確認し、必要に応じて清掃を行う。
3.4 ダンパーは室内への設置を極力避ける。室内に設ける場合は清掃が容易な位置に設置する。 3.4 定期的に室内露出表面の清浄状態を確認し、必要に応じて清掃を行う。
3.5 ダンパー、フィルターなど保守管理を必要とするものは、室内への設置を可能な限り避ける。 3.5 製造区域外からアクセスし、消耗品の交換ならびに、劣化あるいは故障した箇所の補修あるいは交換を行う。
4その他の付帯設備は、清浄化しにくい窪みの形成を回避するように設計および設置すること。
また、できる限り生産区域外から保守できること。

(注) 3.6.項の留意点4. を参照のこと。
4.1 床壁天井に設置する付帯設備(スイッチパネル類、導圧チューブ等)は、平滑な構造とし、清掃の容易な位置に設置する。 4.1 定期的に室内露出表面の清浄状態を確認し、必要に応じて清掃を行う。 (全般)
・設備納まり標準図(製造区域)

(電気設備)
・配線器具姿図(製造区域)
・配線器具配置図(製造区域)
・電話、通信機器姿図(製造区域)
・電話、通信機器配置図(製造区域)
・自動火災報知設備姿図(製造区域)
・自動火災報知設備配置図(製造区域)
・放送設備姿図(製造区域)
・放送設備配置図(製造区域)

(防災設備)
・消火設備姿図(製造区域)
・消火設備配置図(製造区域)
4.2 コネクタ、端子、バルブ、ダンパー及びフィルターなど保守管理を必要とするものは、室内への設置を可能な限り避ける。 4.2 製造区域外からアクセスし、消耗品の交換ならびに、劣化あるいは故障した箇所の補修あるいは交換を行う。
12 第3章建物及び設備 建物 :製造区域 3.11. Drains should be of adequate size, and have trapped gullies. Open channels should be avoided where possible, but if necessary, they should be shallow to facilitate cleaning and disinfection. 排水溝は、適切なサイズで、トラップ付きの落とし込みを有すること。開放溝はなるべく避けるが、(必要であれば)清浄化及び消毒を行いやすいよう浅くすること。 1.排水溝は適切なサイズで、またトラップ付きの落とし込みを有すること。 1. 排水管は適切なサイズで、トラップ付きの落とし込みを有するものする。 1.1工程作業を開始する前に、手順書に基づき清浄であることを確認する。
1.2 定期的に清掃及び消毒を行う。
(排水設備)
・一般排水系統図(製造区域)
・生産排水系統図
・一般排水配管図(製造区域)
・生産排水配管図
・排水管サイズ計算書

(プロセス・ユーティリティ配管)
・P&ID(排水配管を含む場合)

(生産設備)
・機器製作図(排水トラップを含む場合)
2.開放溝は可能なかぎり避け、(必要な場合に)それらは清浄化および消毒が実施し易いように、浅くすること。 2. 開放溝は可能な限り避け、清掃及び消毒が実施し易いように浅くする。 1.1工程作業を開始する前に、手順書に基づき清浄であることを確認する。
1.2 定期的に清掃及び消毒を行う。
(排水設備)
・排水溝外形図(製造区域)
・一般排水配管図(製造区域)
・生産排水配管図
13 第3章建物及び設備 建物 :製造区域 3.12. Production areas should be effectively ventilated, with air control facilities (including temperature and, where necessary, humidity and filtration) appropriate both to the products handled, to the operations undertaken within them and to the external environment. 製造区域は、取り扱う製品、そこで行われる作業及び外部環境のいずれに対しても適切な空調施設(温度のほか、必要な場合、湿度及びろ過を含む)を使用して、効果的に換気すること。 1.製造区域は、取り扱う製品および製造作業に対して適切な空調施設により、有効に換気されること。なお、空調設備は、温度および、(必要な場合)湿度とろ過を含む。 1. 製造区域の環境要件(温湿度、風量、清浄度、気流、室圧)を満たす空調設備及び環境監視システムを設置する。

例えば、
・製造区域において許容する温湿度を確保するために空気を滞留させないようにする。
・クリーンルームはその清浄度を確保するのに必要なフィルターの仕様及び十分な換気回数を設定する。
・空調気流により、秤などの機器動作に悪影響をおよぼさないように配置する。
・補修や保守管理時、適用する場合、室圧逆転が無いようクリーンルームの停止・再立ち上げ(必要に応じて、消毒や除染を含む)を設定する。
1.1 作業に応じた保護衣を着用した作業者が、適した環境下に設置された製造機器を稼働させて、製品を取り扱う。 (空調設備)
・各室諸元表
・空調系統図(局排・集塵含む)
・室圧・気流方向図
・空調機器仕様書
・空調制御システム仕様書
・空調負荷計算書

適用する場合、
(環境モニタリングシステム)
・環境モニタリングシステム機能仕様書
・環境モニタリングシステム設計仕様書
・環境モニタリングポイント図
1.2 環境監視システムにより環境モニタリングを行い、環境要件からの逸脱の有無を監視し、逸脱発生時はあらかじめ定められた手順書に従い処置を行い記録を残す。
1.3 定期的に点検を行い消耗品の交換ならびに、劣化あるいは故障した箇所の補修あるいは交換を行う。
1.4 補修や保守管理作業を実施することにより生じる汚染等が、製品品質にいかなる危害を示さないように、保全計画及び保守作業手順書を作成し、実行する。
2.製造区域は、外部環境に対して適切な空調施設により、有効に換気されること。なお、空調設備は、温度および、(必要な場合)湿度とろ過を含む。 2. 外部環境に影響を及ぼす恐れのある物質の外部への流出を防ぐため、局所排気設備や集塵設備を設け、バグフィルター、HEPAフィルターあるいはスクラバーにて回収する。 2.1 外部環境モニタリングを行い、環境要件からの逸脱の有無を監視し、逸脱発生時はあらかじめ定められた手順書に従い処置を行い記録を残す。 (空調設備)
・空調系統図(局排・集塵含む)
・空調機器仕様書
・空調制御システム仕様書
2.2 定期的に点検を行い消耗品の交換ならびに、劣化あるいは故障した箇所の補修あるいは交換を行う。
14 第3章建物及び設備 建物 :製造区域 3.13. Weighing of starting materials usually should be carried out in a separate weighing room designed for that use. 出発原料の秤量は通常、斯かる用途のために設計された、別の秤量室で行うこと。 '3.7. 作業の流れ及び必要な清浄度レベルに応じた論理的な順序で連結した区域において製造が行われるよう、建物を配置することが望ましい。

3.14. 塵埃が発生する場合(例えば、サンプリング、秤量、混合及び加工の作業中、乾燥状態の製品の包装時)は、交叉汚染を回避して清浄化を行いやすくする特別な予防措置を講じること。
1.出発原料の秤量は、通常、斯かる用途のために設計された、別の秤量室で行うこと。 1.1 出発原料の秤量室は専用とし、天井、壁及び床は平滑な材質で、窪みが無く清掃が行いやすく、気密性の高い構造とする。 1.1.1 工程作業を開始する前に、手順書に基づき清浄であることを確認する。 (建築)
・機器配置図
・仕上表
・建具表
・建具キープラン
・建築納まり標準図

(電気錠インターロック設備)
・電気錠インターロック仕様書

(照明設備)
・照明設備平面図

(空調設備)
・各室諸元表
・空調系統区分図
・空調系統図(局排・集塵含む)
・室圧・気流方向図
・空調機器仕様書
・空調制御システム仕様書
・空調負荷計算書

適用する場合、
(環境モニタリングシステム)
・環境モニタリングシステム機能仕様書
・環境モニタリングシステム設計仕様書
・環境モニタリングポイント図
1..1.2 定期的に窪み、変形、傷または破損のない事を確認し、発見された場合は補修を行う。
1.1.3 定期的に清掃及び消毒を行う。
1.2 じん埃の室内への流入ならびに室外への流出を防ぐため、気密性の高い建具を採用する。 1.2 1.1.1項、1.1.2項、1.13項と同様。
1.3 じん埃の室内への流入及び室外への流出を防ぐため、エアロック(パスボックス、パスルーム等)を設置し、扉をインターロック制御する。 1.3 1.1.1項、1.1.2項、1.13項と同様。
1.4 製造区域の環境要件(温湿度、風量、清浄度、気流及び室圧)を満たす空調設備及び環境モニタリング設備を設置する。 1.4.1 作業に応じた保護衣を着用した作業者が、適した環境下に設置された秤量機器を稼働させて、秤量作業を行う。
1.4.2 環境モニタリング設備により環境モニタリングを行い、環境要件からの逸脱の有無を監視し、逸脱発生時はあらかじめ定められた手順書に従い処置を行い記録を残す。
1.4.3 定期的に点検を行い消耗品の交換ならびに、劣化あるいは故障した箇所の補修あるいは交換を行う。
1.4.4 定期的に清掃及び消毒を行う。
1.5 秤量作業における誤認、誤読等の人為的ミスを避けるため、適切な照度が得られる台数の照明器具を設置する。 1.5 1.4.1項、1.4.2項、1.4.3項、1.4.4項と同様。
15 第3章建物及び設備 建物 :製造区域域 3.14. In cases where dust is generated (e.g. during sampling, weighing, mixing and processing operations, packaging of dry products), specific provisions should be taken to avoid cross-contamination and facilitate cleaning. 塵埃が発生する場合(例えば、サンプリング、秤量、混合及び加工の作業中、乾燥状態の製品の包装時)は、交叉汚染を回避して清浄化を行いやすくする特別な予防措置を講じること。 3.13. 出発原料の秤量は通常、斯かる用途のために設計された、別の秤量室で行うこと。

5.10. 工程の各段階で、原材料及び製品を微生物その他の汚染から保護すること。

5.11. 乾燥状態の原材料及び製品を作業する際は、塵埃の発生及び拡散を防止するため特別な予防措置を講じること。これは特に、高度に危険な(高感作性を含む)物質の取扱いに当てはまる。

5.18. 別の原材料又は製品による、出発原料又は製品の汚染を防止すること。原薬その他の出発原料、工程中の原材料及び製品、設備上の残留物、並びに作業員の着衣から、塵埃、ガス、蒸気、エアゾール、遺伝物質又は微生物が制御されずに流出することに起因する不慮の交叉汚染のリスクを評価すること。こうしたリスクの重大性は、汚染物質の性質及び汚染される製品の性質により異なる。交叉汚染が最も重大となりやすい製品は、注射で投与される製品及び長期間にわたって施用される製品である。ただし、当該汚染の性質及び程度によっては、あらゆる製品の汚染が患者の安全性に対するリスクをもたらす。

5.21. 品質リスクマネジメントのプロセスの結果に基づいて、交叉汚染に係るリスクを管理するため求められる技術的措置及び組織的措置の範囲を確定させること。技術的措置及び組織的措置には以下が含まれ得るが、これらに限らない。

技術的措置
i i . 区別された工程設備及び区別された加温・換気・空調(H V A C)システムを有する、封じ込め製造区域。特定のユーティリティを、別区域で用いられるユーティリティから分離することが望ましい場合がある。
i i i . 工程中、保守管理中及び清浄化中における交叉汚染に係るリスクを最小化するよう製造工程、建物及び設備を設計する。
i v . 工程及び原材料/製品の設備間の移動に「閉鎖システム」を用いる。
v . 封込め措置として物理的バリアシステム(アイソレータを含む)を用いる。
vi. 汚染物質の発生源付近の塵埃を制御し除去する(例えば、局所排気)。
v i i . 設備を専用化する。製品に接触する部品又は清浄化が比較的困難と選定された部品(例えば、フィルタ)を専用化する。保守管理用器具を専用化する。
v i i i . シングルユースのディスポーザブル技術を用いる。
i x . 清浄化を容易に行えるよう設計された設備を用いる。
x . 潜在的な浮遊性汚染物質を特定区域内に封じ込めるよう、エアロック及び気圧カスケードを適切に用いる。
x i . 未処理又は処理が不十分な空気の再循環又は再流入に起因する汚染リスクを最小化する。
x i i . 有効性がバリデートされた自動CIP(定置洗浄)システムを用いる。
x i i i . 共用の一般洗浄区域について、設備の洗浄、乾燥及び貯蔵の場所を分ける。
1.塵埃が発生する場合には、交叉汚染を回避し清浄化を行いやすいように特別な予防措置が取られること。
なお、塵埃が発生する場合とは、例えば、検体採取、秤量、混合および加工処理の作業中、乾燥製品の包装時をいう。
1.1 塵埃が発生する工程(例えば、検体採取、秤量、混合及び加工処理の作業中、乾燥製品の包装時)に使用する製剤機器を、周囲より製剤設備に向かう気流方向が発生する様に設計されたブースまたはアイソレータに設置する。 1.1.1 工程作業を開始する前に、手順書に基づき清浄であることを確認する。 (全般)
・製造工程フロー図(じん埃が発生する箇所を明示)
・交叉汚染防止設計コンセプト

(建築)
・機器配置図
・仕上表
・建具表
・建具キープラン
・建築納まり標準図

(電気錠インターロック設備)
・電気錠インターロック仕様書

(空調設備)
・各室諸元表
・空調系統区分図
・空調系統図(局排・集塵含む)
・室圧・気流方向図
・空調機器仕様書
・空調制御システム仕様書

(生産設備)
・P&ID
・封じ込め機器仕様書
1. 最も有害な汚染物質は、例えば、高感作性の物質、生菌を含有する生物学製剤、ある種のホルモン、細胞毒、及び他の高活性の物質。

2. 汚染が最も重大であると考えられる製品は注射剤、高用量ないし長期間投与される製品。
1.1.2 じん埃の発生および拡散を防止するための手順を実施する。
1.1.3 定期的に清掃及び消毒を行う。
1.1.4 交叉汚染を防止する手段及びその有効性を、所定の手順書に従って定期的にチェックする。
1.1.5 定期的に点検を行い消耗品の交換ならびに、劣化あるいは故障した箇所の補修あるいは交換を行う。
1.2 塵埃が発生する工程に使用する製剤機器の原料、中間製品の投入及び排出部への封じ込めバルブの採用あるいはグローブボックスを設置する。 1.2 1.1.1項、1.1.2項、1.1.3項、1.1.4項、1.1.5項と同様。
1.3 局所排気あるいは集塵設備を設け、バグフィルター、HEPAフィルター、スクラバーにて回収する。 1.3 1.1.3項、1.1.4項、1.1.5項と同様。
1.4 塵埃が発生する作業室の室圧を周囲より陰圧化し、周囲から該当室へ向かう気流方向を発生させる。 1.4 1.1.3項、1.1.4項、1.1.5項と同様。
1.5 塵埃の室外への流出を防ぐため、エアロック(パスボックス、パスルーム等)を設置し、扉をインターロック制御する。 1.5 1.1.1項、1.1.2項、1.1.3項、1.1.4項、1.1.5項と同様。
1.6 塵埃の室外への流出を防ぐため、気密性の高い建具を採用する。 1.6 1.1.1項、1.1.2項、1.1.3項、1.1.4項、1.1.5項と同様。
1.7 塵埃が発生する作業室の天井、壁及び床は平滑な材質で、窪みが無く清掃が行いやすく、気密性の高い構造とする。 1.7.1 1.1.21項、1.1.3項と同様。
1.7.2 定期的に窪み、変形、傷または破損のない事を確認し、発見された場合は補修あるいは交換を行う。
1.8 塵埃が発生する作業室の室内に循環あるいは再流入により供給する空気は、HEPAフィルター等により十分に処理する。 1.8 定期的にフィルターの目詰まりまたはリークを確認し劣化が認められた場合には、交換を行う。
1.9 塵埃が発生する作業室の入室にあたり、着衣への付着を原因とする交叉汚染防止のため、保護衣の着用のための更衣室を設ける。 1.9.1 交叉汚染を防止する、適切な保護衣を着用する。
1.9.2 1.1.2項、1.1.3項、1.1.5項と同様。
1.10 塵埃が発生する作業室で使用する機器に有効性が既知の洗浄及び脱汚染が実施できる、構造設備を設ける。 1.10 1.1.1項、1.1.2項、1.1.3項、1.1.4項、1.1.5項と同様。
16 第3章建物及び設備 建物 :製造区域 3.15. Premises for the packaging of medicinal products should be specifically designed and laid out so as to avoid mix-ups or cross-contamination. 医薬品の包装に係る建物は、混同や交叉汚染を回避できるよう、特別に設計し、配置すること。 5.9. 異なる製品についての作業は、混同及び交叉汚染のリスクが皆無でない限り、同じ作業室で同時に又は連続して行ってはならない。

5.21. 品質リスクマネジメントのプロセスの結果に基づいて、交叉汚染に係るリスクを管理するため求められる技術的措置及び組織的措置の範囲を確定させること。技術的措置及び組織的措置には以下が含まれ得るが、これらに限らない。

技術的措置
i i i . 工程中、保守管理中及び清浄化中における交叉汚染に係るリスクを最小化するよう製造工程、建物及び設備を設計する。

5.49. 包装作業のプログラムを設定する際は、交叉汚染、混同及び取違いのリスクを最小化するよう特に注意を払うこと。異なる製品を近接して包装してはならない(物理的に隔離されている場合を除く)。
1. 医薬品の包装に係る建物は、混同や交叉汚染が回避されるよう設計およびレイアウトされること。 1.1 混同や交叉汚染が起きないよう、医薬品の包装ライン毎に作業領域を区分して、それぞれ十分なスペースを確保する。 1.1.1 包装作業を始める前に、作業区域、包装ライン、印字機及び他の機器が清浄であること、並びに(現行作業に不要であれば)以前使用された製品、原材料又は文書がないことを保証する段階を踏むこと。ラインクリアランスを、適切なチェックリストに従って実施する。 (全般)
・混同防止設計コンセプト
・交叉汚染防止設計コンセプト

(建築)
・機器配置図(包装区域)
・動線図(包装区域)
・建具表(包装区域)
・建具キープラン(包装区域)
・建築納まり標準図(包装区域)

(空調設備)
・空調系統区分図
・空調系統図(局排・集塵含む)(包装区域)
・室圧・気流方向図(包装区域)
1.1.2 混同や交叉汚染が起きないよう手順書を作成し運用する。
1.1.3 定期的に清掃及び消毒を行う。
1.1.4 交叉汚染を防止する手段及びその有効性を、所定の手順書に従って定期的にチェックする。
1.2 包装作業中、作業者が他の包装ラインに行き来できないようにする。 1.2 1.1.2項と同様。
1.3. 局所排気あるいは集塵設備を設け、バグフィルター、HEPAフィルター、スクラバーにて排気に含まれる交叉汚染物質を回収する。 1.3.1 1.1.3項、1.1.4項と同様。
1.3.2 定期的に点検を行い消耗品の交換ならびに、劣化あるいは故障した箇所の補修あるいは交換を行う。
1.4 一次包装を行う製造区域への入室にあたり、着衣への付着を原因とする交叉汚染防止のため、保護衣の着用のための更衣室を設ける。 1.4.1 交叉汚染を防止する、適切な保護衣を着用する。
1.4.2 1.1.2項、1.1.3項、1.1.4項と同様。
1.5 包装に使用する機器に有効性が既知の洗浄及び脱汚染が実施できる、構造設備を設ける。 1.5 1.1.1項、1.1.2項、1.1.3項、1.1.4項と同様。
17 第3章建物及び設備 建物 :製造区域 3.16. Productions areas should be well lit, particularly where visual on-line controls are carried out. 製造区域(特に目視によるライン内管理を実施する場所)は、十分な明るさであること。 1. 製造区域、特に目視によるライン内管理を実施する場所は、十分明るいこと。 1.1 製造区域には、検査等目視作業に適した照度が得られる照明機器を選択して配置する。 1.1 照度モニタリングを行い、照度要件からの逸脱の有無を監視し、逸脱発生時はあらかじめ定められた手順書に従い処置を行い記録を残す。 (照明設備)
・各室諸元表(照明)
・照明設備平面図

(生産設備)
・機器仕様書(目視オンライン管理を実施する機器)
18 第3章建物及び設備 建物 :製造区域 3.17. In-process controls may be carried out within the production area provided they do not carry any risk for the production. 工程内管理は、製造にリスクをもたらさない限りにおいて、製造区域内で実施してもよい。 5.10. 工程の各段階において、製品及び原材料を微生物及びその他の汚染から保護すること。 1. 工程内管理は、製造に対していかなるリスクを及ぼさない限り、製造区域内で実施しても良い。

(注) 留意点1.、2. を参照のこと。
1. 製造区域内で工程内管理を行う場所では、工程内管理が製造に対して品質リスクを及ぼさないように、レイアウトと動線を計画する。

(注) 留意点1.、2. を参照のこと。
1. 全ての工程内管理(製造区域内で製造部門の人員によって行われるものを含む)について、品質管理部門が承認した方法に従って実施し、結果を記録する。

例えば、

・ 工程内管理を実施する作業者は、作業に応じた適切な保護衣を着用し、必要に応じて、手洗いを実施する。

・ 露出されている製品及び機器の製品接触部分に作業者の手が直接接触することを避ける。

・ 作業において、製品及び原材料を微生物及び他の汚染から保護する。

・ 工程内管理の作業を記録する。

(注) 留意点1.、2. を参照のこと。
(建築)
・動線図

(注) 留意点2. を参照のこと。
1. 本項目は、構造設備の構築に係わる要件ではなく、運用に係わる要件である。

2. 工程内管理に関わる製造に対する品質リスクマネジメントを実施する。
19 第3章建物及び設備 建物 :貯蔵区域 3.18. Storage areas should be of sufficient capacity to allow orderly storage of the various categories of materials and products: starting and packaging materials,intermediate, bulk and finished products, products in quarantine, released, rejected, returned or recalled. 貯蔵区域は、以下のような様々なカテゴリーの原材料及び製品を整然と貯蔵できる十分な広さであること:出発原料及び包装材料、中間製品、バルク製品及び最終製品、区分保管中の製品、合格判定された製品、不合格判定された製品、返品又は回収された製品 3.21. 別区域で貯蔵することで区分保管状態が確保される場合は、それら区域を明確に表示するとともに、立入を認定された人員に制限しなければならない。物理的な区分保管に代わるシステムを用いる場合は、同等のセキュリティを提供するものであること。

3.23. 不合格判定され、回収され又は返品された原材料や製品の保存用に隔離区域を備えること。

5.5. 入荷原材料及び最終製品は、受入又は工程の直後から、出庫又は出荷の可否判定するまで、物理的に又は管理上、区分保管すること。

5.7. 全ての原材料及び製品は、当該製造業者が定めた適切な条件下で、バッチの隔離及び在庫のローテーションが可能となるよう整然と貯蔵すること。

5.45. 一次包装材料及び印刷された包装材料の供給業者の選定、適格性評価、承認及び維持管理には、出発原料に対する注意と同様に相応の注意を払うこと。

5.46. 印刷された材料には特別の注意を払い、無許可立入を排除する等、適切に心配ない状態で貯蔵すること。カットラベルその他の離散しやすい印刷された材料は、混同を回避するよう区別された閉鎖容器内で貯蔵及び運搬すること。包装材料の払出しは、承認された手順書に従って、認定された人員のみが行うこと。

5.63. 最終製品は、その最終的な出荷可否判定まで、製造業者が定めた条件下で区分保管すること。

5.65. 合格判定された最終製品は、使用可能な状態の在庫として、製造業者が定めた条件下で貯蔵すること。

5.66. 不合格判定された原材料及び製品は、その旨を明確に標識し、制限区域に隔離して保存すること。それらは、供給業者に返品又は(適宜) 再加工若しくは破棄のいずれかとすること。いずれの措置が講じられる場合も、オーソライズドパーソンらが承認し、記録すること。
1. 貯蔵区域は、以下の多種多様な原材料や製品を、バッチの分別および在庫の回転が可能となるように、整然と貯蔵できる十分な広さがあること。

・出発原料、包装材料、中間製品、バルク製品の
- 出庫判定前品(立入制限下での区分保管(クアランチン))
- 出庫可判定品
- 不合格判定品(隔離保存)

・表示材料の
- 出庫判定前品(安全状態下かつ立入制限下での区分保管(クアランチン))
- 出庫可判定品(安全状態下での貯蔵)
- 不合格判定品(安全状態下での隔離保存)

・最終製品の
- 出荷判定前品(立入制限下での区分保管(クアランチン))
- 出荷可判定品
- 不合格判定品(隔離保存)

・返品・回収品(隔離保存)
1.1.出発原料(出庫判定前)、出発原料(出庫判定品)、出発原料(不合格判定品)、包装材料(表示材料を含む)、中間製品、バルク製品、最終製品(出荷判定前)、出荷可判定製品、不合格判定製品、返品、回収品、それぞれの貯蔵区域を設け、それぞれの貯蔵区域で、バッチの分別と在庫の回転が可能となるように整然配置できる貯蔵/保管/保存スペースを設ける。

以下は、立入制限下での区分保管(クアランチン)を行う構造とする。
出発原料、包装材料、表示材料(印刷された包装材料を含む) 、中間製品、バルク製品、最終製品の出庫/出荷判定前品。

以下は、隔離保管/保存を行う構造とする。
出発原料、包装材料、表示材料(印刷された包装材料を含む) 、中間製品、バルク製品、最終製品の不合格判定品。

表示材料(印刷された包装材料を含む) については、出庫判定前品、出庫可判定品、不合格判定品のいずれにおいても安全状態下で保管/保存できる構造とする。
1.1.1 バッチの分別及び在庫の回転を確実に行う。 (全般)
・マテリアルバランスシート

(建築)
・平面図
・機器配置図(倉庫を含む)
・立面図

適用する場合、
(自動倉庫)
・自動倉庫管理システム機能仕様書
・自動倉庫管理システム設計仕様書
1. 包装材料は、一次包材、二次包材、ラベル、能書等を含む。

2. クアランチンの定義は。
PIC/S GMPでは、PIC/S GMPのGUIDE(参照番号:PI 009)、GUIDE TO GOOD MANUFACTURING PRACTICE FOR MEDICINAL PRODUCTS ANNEXESにある用語の定義、GLOSSARY、にて、以下の通り。

Quarantine
"The status of starting or packaging materials, intermediate, bulk or finished products isolated physically or by other effective means whilst awaiting a decision on their release or refusal. "
1.1.2 以下は、立入制限下での区分保管(クアランチン)を行う。
出発原料、包装材料、表示材料(印刷された包装材料を含む)、中間製品、バルク製品、最終製品の出庫/出荷判定前品。
1.1.3 以下は、隔離貯蔵/保存を行う。
出発原料、包装材料、表示材料(印刷された包装材料を含む)、中間製品、バルク製品、最終製品の不合格判定品。返品、回収品。
1.1.4 表示材料(印刷された包装材料を含む)は、 出庫判定前品、出庫可判定品、不合格判定品のいずれにおいて、安全状態下で貯蔵/保管/保存する。
1.2 出発原料(出庫判定前)、出発原料(出庫判定品)、出発原料(不合格判定品)、包装材料、表示材料(印刷された包装材料を含む)、中間製品、バルク製品、最終製品(出荷判定前)、出荷可判定製品、不合格判定製品、返品、回収品を自動倉庫で貯蔵/保管/保存する場合、十分な数の棚を設置する。 1.2 コンピュータバリデーションされた自動倉庫管理システムを、正しく運用し、維持管理する。
20 第3章建物及び設備 建物 :貯蔵区域 3.19. Storage areas should be designed or adapted to ensure good storage conditions. In particular, they should be clean and dry and maintained within acceptable temperature limits. Where special storage conditions are required (e.g. temperature, humidity) these should be provided, checked and monitored. 貯蔵区域は、良好な保存条件を確保するよう設計又は構成すること。特に、当該区域は、清潔で湿気のない状態とし、許容される温度限度値内に保守管理すること。特別な保存条件(例えば温度、湿度)が求められる場合は、それら条件を規定し、チェックし、モニターすること。 5.7. 全ての原材料及び製品は、当該製造業者が定めた適切な条件下で、バッチの隔離及び在庫のローテーションが可能となるよう整然と貯蔵すること。

5.41. 中間製品及びバルク製品を、適切な条件下で保管すること。

5.45. 一次包装材料及び印刷された包装材料の供給業者の選定、適格性評価、承認及び維持管理には、出発原料に対する注意と同様に相応の注意を払うこと。

5.63. 最終製品は、その最終的な出荷可否判定まで、製造業者が定めた条件下で区分保管すること。

5.65. 合格判定された最終製品は、使用可能な状態の在庫として、製造業者が定めた条件下で貯蔵すること。
1.貯蔵区域は、良好な保存条件を整え、監視すること。
保管条件とは、例えば、
・清潔
・乾燥
・許容温度
・許容湿度
1.1 貯蔵区域には、保管条件に合うよう、温湿度(適用する場合)がコントロールできる空調設備を採用する。

例えば、
・貯蔵区域において許容する温湿度を確保するために空気を滞留させないようにする。
・必要なフィルターの仕様及び十分な換気回数を設定する。
1.1 クオリフィケーションされた空調設備を正しく運転し、維持管理を行う。 (空調設備)
・各室諸元表
・空調負荷計算書
・空調系統区分図
・空調機器仕様書
・空調制御システム仕様書

適用する場合、
(環境モニタリングシステム)
・環境モニタリングシステム機能仕様書
・環境モニタリングシステム設計仕様書
・環境モニタリングポイント図
1.2 貯蔵区域では、温度と湿度を測定、記録できる環境モニタリング設備を設置して、環境をモニターできるようにする。 1.2 クオリフィケーションされた環境モニタリング設備により環境モニタリングを行い、環境要件からの逸脱の有無を監視する。
1.3 貯蔵区域は、外部環境(温湿度等)の影響を受けにくい構造にする。 1.3 定期的に点検を行い消耗品の交換ならびに、劣化あるいは故障した箇所の補修あるいは交換を行う。
21 第3章建物及び設備 建物 :貯蔵区域 3.20. Receiving and dispatch bays should protect materials and products from the weather. Receptions areas should be designed and equipped to allow containers of incoming materials to be cleaned where necessary before storage. 搬入・搬出口は、天候から原材料及び製品を保護するものであること。入荷原材料の容器を(必要な場合)貯蔵する前に清浄化できるよう受入区域を設計し、装備すること。 1.原材料及び製品の搬入搬出口は、原材料及び製品を天候から保護出来ること。 1.1 入出荷のトラックバースに庇を設置し、原材料や製品が雨に濡れない構造とする。 1.1.1 原材料については、仮に外装が濡れたとしても、影響を受けない容器に入れるか、ビニール袋等にて保護する。 (建築)
・動線図
・平面図
1. materials(原材料)は、原料、包装材料(一次包材、二次包材、ラベル、能書等)、資材(ゴム栓、キャップ等)を含む。
1.1.2 製品出荷時は、パレット毎にビニールシート等を被せ、雨に濡れない配慮を行う。
1.2 入出荷口にドックシェルターを設置し、原材料や製品が雨風にさらされない構造とする。 1.1.1、1.1.2項と同様。
1.3 トラックヤードを完全に屋根壁で覆い、原材料や製品が雨風や雪にさらされない構造とする。(豪雪地域等) 1.1.1、1.1.2項と同様。
2.受け入れ区域は、入荷された原材料の容器を、(必要に応じて)貯蔵前に清浄化できるように、設計し機器を設置すること。 2.1 荷捌室(外部)から、工場内の貯蔵区域の間に、受入れた原材料の外装の清掃や場内専用のパレットに載せ替えが出来るパスルームを設置する。 2.1 原材料受入時の清掃状態の確認、(必要に応じて)清掃を実施する。 (建築)
・動線図
・機器配置図
・機器仕様書(エアシャワー、ワンパッククリーナー)
2.2 荷捌室(外部)から、工場内の貯蔵区域の間に、エアシャワーやワンパッククリーナーを設置する。 2.2 エアシャワー、ワンパッククリーナーの保守管理、運転操作の教育訓練を実施する。
22 第3章建物及び設備 建物 :貯蔵区域 3.21. Where quarantine status is ensured by storage in separate areas, these areas must be clearly marked and their access restricted to authorised personnel. Any system replacing the physical quarantine should give equivalent security. 別区域で貯蔵することで区分保管状態が確保される場合は、それら区域を明確に表示するとともに、立入を認定された人員に制限しなければならない。物理的な区分保管に代わるシステムを用いる場合は、同等のセキュリティを提供するものであること。 3.18. 貯蔵区域は、以下のような様々なカテゴリーの原材料及び製品を整然と貯蔵できる十分な広さであること:出発原料及び包装材料、中間製品、バルク製品及び最終製品、区分保管中の製品、合格判定された製品、不合格判定された製品、返品又は回収された製品

5.5. 入荷原材料及び最終製品は、受入又は工程の直後から、出庫又は出荷の可否判定するまで、物理的に又は管理上、区分保管すること。

5.63. 最終製品は、その最終的な出荷可否判定まで、製造業者が定めた条件下で区分保管すること。
1.別区域に貯蔵することにより区分保管(クアランチン)状態が確保される場合には、これらの区域は明確に表示し、立入を認定された人員に制限すること。 1.1 区分保管(クアランチン)品を専用の倉庫に保管、管理する。各倉庫には部屋名称を明示し、施錠(シリンダー錠)も出来るものとする。

隔離品:不合格判定、回収または返品された原材料や製品(3.23.による)
1.1 倉庫の鍵はアクセス許可を有するもののみが使用可能とする管理を行い、使用履歴を残す。 (建築)
・平面図または機器配置図
・建具表
・建具キープラン
1.2 区分保管(クアランチン)品を他の貯蔵物と同一区画内で保管する場合、施錠及び表示可能な棚あるいは鍵付きのカゴパレット等に保管する。 1.2.棚、カゴパレットの鍵は開錠許可を有するもののみが使用可能とする管理を行い、使用履歴を残す。 (建築)
・平面図または機器配置図

(貯蔵設備)
・棚仕様書
・カゴパレット仕様書
1.3 倉庫の入退管理に入退管理システム(カードリーダー等)を導入する。 1.3 アクセスが可能となるカードの発行管理及び入退出管理を行い、入退出履歴を残す。 (建築)
・平面図または機器配置図

(入退管理システム)
・入退管理システム機能仕様書
・入退管理システム設計仕様書
・セキュリティ設備仕様書
2.物理的区分保管(クアランチン)以外のシステムを利用する場合は、物理的隔離と同等の安全性を保証すること。 2 区分保管(クアランチン)品を自動倉庫に保管し、自動倉庫管理システム等の情報システムにて在庫管理、ステータス管理を行う。保管物へのアクセスはID、パスワードにて制限する。 2.1自動倉庫の入出庫のアクセスが可能となるID、パスワードの管理を行い、入出庫履歴を残す。 (自動倉庫)
・自動倉庫管理システム機能仕様書
・自動倉庫管理システム設計仕様書
2.2自動倉庫の入出庫アクセスの権限リストなどによる人員管理を定期的に行う。(退職者がリストに残ったままとなっていないなどの管理)
23 第3章建物及び設備 建物 :貯蔵区域 3.22. There should normally be a separate sampling area for starting materials. If sampling is performed in the storage area, it should be conducted in such a way as to prevent contamination or cross-contamination. 通常、出発原料に別の検体採取区域があること。検体採取を貯蔵区域で実施する場合は、汚染及び交叉汚染を防止するように行うこと。 3.9. 出発原料及び一次包装材料、中間製品又はバルク製品が露出する環境においては、内装表面(壁、床及び天井)が、平滑でひび割れ及び開放接合部がなく、微粒子物質を脱落させないものであるとともに、容易かつ効果的な清浄化及び(必要であれば)消毒を行えるものであること。

5.10. 工程の各段階で、原材料及び製品を微生物その他の汚染から保護すること。

5.11. 乾燥状態の原材料及び製品を作業する際は、塵埃の発生及び拡散を防止するため特別な予防措置を講じること。これは特に、高度に危険な(高感作性を含む)物質の取扱いに当てはまる。

5.18. 別の原材料又は製品による、出発原料又は製品の汚染を防止すること。原薬その他の出発原料、工程中の原材料及び製品、設備上の残留物、並びに作業員の着衣から、塵埃、ガス、蒸気、エアゾール、遺伝物質又は微生物が制御されずに流出することに起因する不慮の交叉汚染のリスクを評価すること。こうしたリスクの重大性は、汚染物質の性質及び汚染される製品の性質により異なる。交叉汚染が最も重大となりやすい製品は、注射で投与される製品及び長期間にわたって施用される製品である。ただし、当該汚染の性質及び程度によっては、あらゆる製品の汚染が患者の安全性に対するリスクをもたらす。

5.21. 品質リスクマネジメントのプロセスの結果に基づいて、交叉汚染に係るリスクを管理するため求められる技術的措置及び組織的措置の範囲を確定させること。技術的措置及び組織的措置には以下が含まれ得るが、これらに限らない。

技術的措置
i i . 区別された工程設備及び区別された加温・換気・空調(H V A C)システムを有する、封じ込め製造区域。特定のユーティリティを、別区域で用いられるユーティリティから分離することが望ましい場合がある。
i i i . 工程中、保守管理中及び清浄化中における交叉汚染に係るリスクを最小化するよう製造工程、建物及び設備を設計する。
i v . 工程及び原材料/製品の設備間の移動に「閉鎖システム」を用いる。
v . 封込め措置として物理的バリアシステム(アイソレータを含む)を用いる。
vi. 汚染物質の発生源付近の塵埃を制御し除去する(例えば、局所排気)。
v i i . 設備を専用化する。製品に接触する部品又は清浄化が比較的困難と選定された部品(例えば、フィルタ)を専用化する。保守管理用器具を専用化する。
v i i i . シングルユースのディスポーザブル技術を用いる。
i x . 清浄化を容易に行えるよう設計された設備を用いる。
x . 潜在的な浮遊性汚染物質を特定区域内に封じ込めるよう、エアロック及び気圧カスケードを適切に用いる。
x i . 未処理又は処理が不十分な空気の再循環又は再流入に起因する汚染リスクを最小化する。
x i i . 有効性がバリデートされた自動CIP(定置洗浄)システムを用いる。
x i i i . 共用の一般洗浄区域について、設備の洗浄、乾燥及び貯蔵の場所を分ける。
1. 出発原料用に別の検体採取区域を設け、汚染・交叉汚染防止対策を講じること。 1. 出発原料の検体採取専用区域を設置する。

例えば、
・洗浄あるいは清掃の容易な内装を採用する。
・差圧が確保し易い建具を採用する。
・検体採取品を含めて出発原料が暴露される区域の汚染防止及び交叉汚染防止が可能な空調設備を設置する。
・局所排気設備や集塵機等を設置する。
・ハザード品を扱う場合は封じ込め対応機器を設置する。
1.1 検体採取前後の出発原料および検体への汚染や交叉汚染することなく、検体採取を行う。 (全般)
・製造工程フロー図(じん埃が発生する箇所を明示)

(全般)
・交叉汚染防止設計コンセプト
・汚染防止設計コンセプト

(建築)
・平面図
・機器配置図
・仕上表
・建具表
・建具キープラン
・建築納まり標準図
・動線図
・ゾーニング図

(空調設備)
・各室諸元表
・空調系統区分図
・空調系統図(局排・集塵含む)
・室圧・気流方向図
・空調機器仕様書
・空調制御システム仕様書

適用する場合、
(空調設備)
・環境モニタリングシステム機能仕様書
・環境モニタリングシステム設計仕様書
・環境モニタリングポイント図

(生産設備)
・封じ込め機器仕様書
1. 本項目は、構造設備の構築に係わる要件ではなく、運用に係わる要件である。
1.2 当該空調設備のクオリフィケーション、当該検体採取専用区域の清掃、運転、保守管理を実施する。
2. 検体採取が貯蔵区域で行われる場合は、汚染または交叉汚染を防止するような方法で実施すること。

(注) 留意点1. を参照のこと。
適用外 2. 検体採取が貯蔵区域で行われる場合は、汚染または交叉汚染を防止するような手順で実施する。 適用外
24 第3章建物及び設備 建物 :貯蔵区域 3.23. Segregated areas should be provided for the storage of rejected, recalled or returned materials or products. 不合格判定され、回収され又は返品された原材料や製品の保存用に隔離区域を備えること。 3.18. 貯蔵区域は、以下のような様々なカテゴリーの原材料及び製品を整然と貯蔵できる十分な広さであること:出発原料及び包装材料、中間製品、バルク製品及び最終製品、区分保管中の製品、合格判定された製品、不合格判定された製品、返品又は回収された製品

5.66. 不合格判定された原材料及び製品は、その旨を明確に標識し、制限区域に隔離して保存すること。それらは、供給業者に返品又は(適宜) 再加工若しくは破棄のいずれかとすること。いずれの措置が講じられる場合も、オーソライズドパーソンらが承認し、記録すること。
1.不合格判定、回収または返品された原材料や製品は、隔離された区域に保存すること。 1.1 不合格判定、回収または返品された原材料や製品は、それぞれ隔離した部屋に保管する。各室には部屋名称を明示し、施錠(シリンダー錠)出来るものとする。 1.1 隔離室の鍵はアクセス許可を有するもののみが使用可能とする管理を行い、使用履歴を残す。 (建築)
・平面図
・機器配置図
・建具表
・建具キープラン
1.2 不合格判定、回収または返品された原材料や製品を自動倉庫に保存し、自動倉庫管理システム等の情報システムにて在庫管理、ステータス管理を行う。保存物へのアクセスはID、パスワードにて制限する。 1.2.1 自動倉庫の入出庫のアクセスが可能となるID、パスワードの管理を行い、入出庫履歴を残す。 (自動倉庫)
・自動倉庫管理システム機能仕様書
・自動倉庫管理システム設計仕様書
1.2.2自動倉庫の入出庫アクセスの権限リストなどによる人員管理を定期的に行う。(退職者がリストに残ったままとなっていないなどの管理)
25 第3章建物及び設備 建物 :貯蔵区域 3.24. Highly active materials or products should be stored in safe and secure areas. 高活性の原料や製品は、安全で危険のない区域に貯蔵すること。 1.高活性の原料や製品は、安全で安心して貯蔵できる区域に貯蔵すること。 1.1 貯蔵区域には部屋名称を明示し、施錠も出来るものとする。 1.1 当該保管室の鍵はアクセス許可を有するもののみが使用可能となる管理を行い、入退室記録を残す。 (建築)
・平面図
・建具表
・建具キープラン
1.2 貯蔵区域の入退管理に入退管理システム(カードリーダー等)を導入する。 1.2 アクセスが可能となるカードの発行管理及び入退出管理を行い、入退出記録を残す。 (建築)
・平面図または機器配置図

適用する場合、
(入退管理システム)
・入退管理システム機能仕様書
・入退管理システム設計仕様書
・セキュリティ設備仕様書
26 第3章建物及び設備 建物 :貯蔵区域 3.25. Printed packaging materials are considered critical to the conformity of the medicinal products and special attention should be paid to the safe and secure storage of these materials. 印刷された包装材料は、当該医薬品の合致に重要と考えられ、それら包装材料の安全で心配ない貯蔵に特別の注意を払うこと。 5.45. 一次包装材料及び印刷された包装材料の供給業者の選定、適格性評価、承認及び維持管理には、出発原料に対する注意と同様に相応の注意を払うこと。

5.46. 印刷された材料には特別の注意を払い、無許可立入を排除する等、適切に心配ない状態で貯蔵すること。カットラベルその他の離散しやすい印刷された材料は、混同を回避するよう区別された閉鎖容器内で貯蔵及び運搬すること。包装材料の払出しは、承認された手順書に従って、認定された人員のみが行うこと。
1. 印刷された包装材料は、安全で安心に貯蔵できる手段を講じること。 1.1 印刷された包装材料は、専用の貯蔵区域や貯蔵棚等を設け、施錠や入退管理システム(カードリーダー等)のセキュリティシステムを設置する。 1.1 施錠や入退管理システムにより、アクセス制限を行い、入退出記録を残す。 (建築)
・平面図または機器配置図

適用する場合、
(入退管理システム)
・入退管理システム機能仕様書
・入退管理システム設計仕様書
・セキュリティ設備仕様書
1.2 印刷された包装材料を自動倉庫に貯蔵し、自動倉庫管理システム等の情報システムにて在庫管理、ステータス管理を行う。貯蔵物へのアクセスはID、パスワードにて制限する。 1.2.1 自動倉庫管理システムあるいは情報システムにて入出庫を管理し、履歴を残す。
(入出庫のアクセスが可能となるID、パスワードの管理を行う。)
(自動倉庫)
・自動倉庫管理システム機能仕様書
・自動倉庫管理システム設計仕様書
1.2.2自動倉庫の入出庫アクセスの権限リストなどによる人員管理を定期的に行う。(退職者がリストに残ったままとなっていないなどの管理)
27 第3章建物及び設備 建物 :品質管理区域 3.26. Normally, Quality Control laboratories should be separated from production areas. This is particularly important for laboratories for the control of biologicals, microbiologicals and radioisotopes, which should also be separated from each other. 通常、品質管理試験施設は、製造区域と別にすること。これは生物、微生物及び放射性同位元素の管理に係る試験施設で特に重要であり、それら試験施設も互いに別にすること。 1. 品質管理試験施設は、通常、製造区域と別にすること。 1.1 品質管理試験施設は、製造区域から分離したレイアウトと空調系統とする。 1.1 品質管理試験施設の入退出管理を行い、入退出記録を残す。 (建築)
・平面図
・ゾーニング図

(空調設備)
・空調系統区分図
・空調系統図書
1.2 品質管理試験施設の入退出管理を行うために、入退管理システム(カードリーダー等)のセキュリティシステムを設置する。 1.2 アクセスが可能となるカードの発行管理及び入退出管理を行い、入退出記録を残す。 適用する場合、
(入退管理システム)
・入退管理システム機能仕様書
・入退管理システム設計仕様書
・セキュリティ設備仕様書
2. 生物、微生物、放射線同位元素を扱う試験施設は、それぞれの試験室を別にすること。 2. 生物、微生物、放射線同位性元素を扱う試験施設は、それぞれ分離した試験施設を設置する。 2. 生物、微生物、放射線同位元素を扱う試験室は、それぞれの試験室の入退出管理を行い、入退出記録を残す。 (建築)
・平面図
28 第3章建物及び設備 建物 :品質管理区域 3.27. Control laboratories should be designed to suit the operations to be carried out in them. Sufficient space should be given to avoid mix-ups and crosscontamination. There should be adequate suitable storage space for samples and records. 管理試験施設は、そこで行われる作業に適するよう設計すること。混同及び交叉汚染を避けるため十分なスペースを設けること。検体及び記録書のための適切かつ十分な貯蔵スペースがあること。 6.5. 管理試験施設の建物及び設備は、第3章に示す品質管理区域に関する一般的及び特定の要求事項を満たすこと。試験施設の設備は、不慮の交叉汚染を避けるため、高リスク区域の間を日常的に移動させてはならない。特に微生物試験施設は、交叉汚染のリスクを最小化するよう配置すること。

6.13. 検体容器には、バッチ番号、検体採取日及び当該検体が取り出されたバッチ容器を示すとともに、内容物を示すラベルを貼付すること。混同のリスクを最小化し、好ましくない保存条件から当該検体を保護する仕方で管理すること。
1. 品質管理試験施設は、作業に適するように設計され、混同や交叉汚染防止のための十分なスペースを設けること。 1.1 品質管理試験施設は、作業が容易で混同や交叉汚染が避けられる十分なスペースを確保し、作業区域を明確に示す。 1.1.1 混同、交叉汚染防止のため、手順書に基づき決められた作業区域の中で試験を行う。 (全般)
・混同防止設計コンセプト
・交叉汚染防止設計コンセプト

(建築)
・機器配置図

(空調設備)
・各室諸元表(空調)
・室圧・気流方向図

(照明設備)
・各室諸元表(照明)

(試験設備)
・機器仕様書
・機器リスト
・除染設備仕様書
1.1.2 試験機器の移動制限を設け、遵守する。
1.2 作業に適した照度と温湿度環境を確保する。 1.2 必要に応じ、照度測定、温湿度のモニタリングを行う。
1.3 検体などの交叉汚染を防止するため、必要に応じて以下を考慮したスペースを確保する。
・安全キャビネットなどの保護機器の導入
・専用の試験機器の導入
・微生物試験室内の機器は交叉汚染のリスクを最小とする配置とする。
・交叉汚染防止のための差圧・気流管理を行う。
1.3 検体の取り扱い、試験機器の操作に対し、定められた手順と運用を遵守する。
・混同させないための検体の表示
・室内の試験機器の決められた配置(勝手に移動させない)
1.4 培地や菌株の除染機能および適切に廃棄できる機能を設ける。 1.4 手順書に基づき培地や菌株の除染、廃棄を行う
2. 検体および記録を貯蔵する適切な貯蔵スペースを確保すること。 2.1 品質管理試験施設内に、検体及び記録を保管するための適切で相応な保管スペースを確保し、その場所を明確に示す。 2. 検体及び記録保管場所には、保管されているものに表示を行い、検体及び記録の管理記録を残す。 (建築)
・機器配置図

(空調設備)
・各室諸元表

(照明設備)
・各室諸元表(照明)

(試験設備)
・機器仕様書
・機器リスト
2.2 貯蔵に適した温度湿度、照度を確保する。
2.3 検体の貯蔵条件を満足する検体貯蔵庫を設置する。
29 第3章建物及び設備 建物 :品質管理区域 3.28. Separate rooms may be necessary to protect sensitive instruments from vibration, electrical interference, humidity, etc. 高感度な機器を振動、電気的妨害、湿度等から保護するため、別部屋が必要であろう。 1. 高感度な機器は、振動、電気的妨害、湿度等の影響を受けないよう別の部屋に設置した方が良い。 1.1 高感度な機器を設置する場合、ベンダーのインストラクションに従い、振動や電気的妨害、湿度の影響等の恐れのある部屋と分離された部屋に設置する。 1.1 振動や電気的妨害、湿度等、敏感なパラメータをモニタリングし、記録する。 (建築)
・機器配置図

(空調設備)
・各室諸元表

(試験設備)
・機器仕様書
・機器リスト

(空調設備)
・各室諸元表
1.2 湿度に高感度な機器を設置する場合、ベンダーのインストラクションに従い、設置室の湿度制御を行う。 1.2 湿度をモニタリングし、記録する。
30 第3章建物及び設備 建物 :品質管理区域 3.29. Special requirements are needed in laboratories handling particular substances, such as biological or radioactive samples. 特殊な物質(生物学的又は放射活性のある検体等)を扱う試験施設では、特別な要件が求められる。 ANNEX2 生物学的製剤の製造、
MANUFACTURE OF BIOLOGICAL MEDICINALPRODUCTS FOR HUMAN USE、 (監視指導・麻薬対策課 事務連絡 平成24年2月1日、平成27年7月8日付け事務連絡により改正)から一部抜粋

7. 特に生きた生物体を使用する製造段階において、生物学的製剤間の交叉汚染を防止する為、専用施設、装置等の 使用、キャンペーン製造、クローズドシステムの利用等の、追加的な予防策が必要となるであろう。交叉汚染回避に必要な隔離レベルは、当該製品の性質及び使用する装置に 応じて決定する。

15. 製造エリアと設備の配置及び設計は、効果的な清掃及び除染(燻蒸消毒など)が可能なものでなければならない。 清掃手順及び除染手順の適切性についてバリデーションを 実施しなければならない。

ANNEX3 放射性医薬品の製造、
MANUFACTURE OF RADIOPHARMACEUTICALS、(監視指導・麻薬対策課 事務連絡 平成24年2月1日)から一部抜粋

23. 妥当性が示されない限り、放射性製品を取り扱う区域から排出された空気の再循環を避けなければならない。空気放出口は、放射性粒子及びガスによる環境汚染を最小限にするよう設計しなければならない。また、管理された区域を、微粒子及び微生物汚染から保護する適切な対策を講じなければならない。

24. 放射性粒子を封じ込めるため、製品が曝露されている区域の空気圧を、周辺区域よりも低くする必要がある場合がある。しかし、製品を環境汚染から保護することも必要である。これは例えば、気圧の壁として機能するバリア技術やエアロックを使用すれば可能であろう。
1. 生物学的または放射活性のある検体等を扱う試験施設は特別な配慮が必要。

<ANNEX2から一部抜粋>
・特に生きた生物体を使用する生産(注)段階において、生物学的製剤間の交叉汚染を防止する為、専用施設、装置等の 使用、キャンペーン製造、クローズドシステムの利用等の、追加的な予防策をとる。交叉汚染回避に必要な隔離レベルは、当該製品の性質及び使用する装置に応じて決定する。

・製造エリアと設備の配置及び設計は、効果的な清掃及び除染(燻蒸消毒など)が可能なものとする。

<ANNEX3から一部抜粋>
・.妥当性が示されない限り、放射性製品を取り扱う区域から排出された空気の再循環を避ける。空気放出口は、放射性粒子及びガスによる環境汚染を最小限にするよう設計する。

・管理された区域を、微粒子及び微生物汚染から保護する適切な対策を講じる。

・製品が曝露されている区域の空気圧を、周辺区域よりも低くする必要がある場合がある。製品を環境汚染から保護することも必要である。例えば、気圧の壁として機能するバリア技術やエアロックを使用する。

(注) 3.6.項の留意点4. を参照のこと。
1. 生物学的または放射活性のある物質を扱う試験施設は、規制当局による規制に従って構造設備を構築する。 1. 生物学的または放射活性のある物質を扱う試験施設は、規制当局による規制に従って管理・運用を行う。 (建築)
・機器配置図
・ゾーニング図
・仕上表
・建具表
・建具キープラン
・建築納まり標準図

(電気錠インターロック設備)
・電気錠インターロック仕様書

(空調設備)
・各室諸元表
・空調系統区分図
・空調系統図(局排・集塵含む)
・室圧・気流方向図
・吹出口、吸込口配置図
・空調機器仕様書
・空調制御システム仕様書

適用する場合、
・環境モニタリングシステム機能仕様書
・環境モニタリングシステム設計仕様書
・環境モニタリングポイント図
・セキュリティ設備仕様書

(試験設備)
・封じ込め機器仕様書
・機器リスト
2.1. 検体を扱う区域に差圧の壁やエアロックを設け封じ込めを行うと共に差圧のモニタリングを実施する。 2. 検体採取から加工処理まで作業を検体取扱手順に基づき実施する。
2.2. 試験施設は気密性の高い建具と内装仕上げととする。
2.3. 差圧を確保するために、扉にインターロック機能を設ける。
2.4. 当該製品の性質及び使用する装置に応じて、空調システムを構築する(例えば、オールフレッシュ等)。
2.5. 適用する場合、空調吹出・吸込口にはHEPAフィルターを設ける。
2.6. 適用する場合、安全キャビネットやアイソレーターなどの封じ込め機器を採用する。
31 第3章建物及び設備 建物 :付随区域 3.30. Rest and refreshment rooms should be separate from other areas. 休憩室は、他の区域と別にすること。 1. 休憩室は他の区域から別にすること。 1. 休憩室は独立した部屋として用意する。
なお、包装室の一角をローパーティションなどで区切って(飲食可能な)休憩室とすることは独立した休憩室には該当しないと考えられる。
1.1 休憩室を明確に表示する。
1.2 休憩室内の制限事項を明確にする。
(建築)
・平面図
32 第3章建物及び設備 建物 :付随区域 3.31. Facilities for changing clothes, and for washing and toilet purposes should be easily accessible and appropriate for the number of users. Toilets should not directly communicate with production or storage areas. 更衣施設並びに手洗い及びトイレの施設は、容易にアクセス可能であり、使用者数に対し適切な数があること。トイレは、製造及び貯蔵区域と直接通じていてはならない。 1. 更衣施設、手洗い、トイレは、容易にアクセスできること。 1. 更衣施設、手洗い、トイレは、容易にアクセスできる位置に配置する。 1. 更衣手順に基づき更衣、手洗いを行う。(更衣手順の現場表示) (建築)
・平面図
1. GMP事例集(2013年版)BHR6-1では、「便所は、前室、通路等により、作業室と隔てられているものである。」としている。
作業室とは、「製造作業を行う場所」と定義されており、製造作業に直結している事務室、試験検査室等を含む。(GMP省令第2条第6項)
2. 更衣施設、手洗い、トイレは、使用者数に対して適切な数が必要。 2. 更衣施設、手洗い、トイレは、建築基準法などの関連法規に則り、使用者数に対して適切な数を配備する。 2. 更衣手順に基づき更衣、手洗いを行う。(更衣手順の現場表示) (建築)
・平面図
・更衣施設、手洗い、トイレの使用者数計算書
3. トイレは製造または貯蔵区域と直接に通じないこと。

(注) 留意点1. を参照のこと。
3. トイレは、製造及び貯蔵区域と廊下を挟んで配置する。 3. 決められた手順に基づき手洗いを行う。
 (トイレ使用、手洗い方法の現場注意喚起など)
(建築)
・平面図
33 第3章建物及び設備 建物 :付随区域 3.32. Maintenance workshops should as far as possible be separated from production areas. Whenever parts and tools are stored in the production area, they should be kept in rooms or lockers reserved for that use. 保守管理の作業場は、製造区域から可能な限り別にすること。部品及び工具を製造区域で保存する場合は、その用途専用の部屋又はロッカー内に保存すること。 1. 保守管理用の工作室は製造区域からできるだけ別にすること。 1. 工作室は製造区域外に配置する。 1.1 部品加工等の必要がある場合は同区域から外に出して対応する。同部品を復旧する場合は、洗浄や必要に応じて滅菌等の処置を行い、製造区域内に入れて行う。 (建築)
・平面図
1.2 保守管理手順書に基づき作業を行う。
2. 部品及び工具が製造区域で保存される場合には常に、そのために用意された部屋かロッカーに保存すること。 2. 製造区域で使用する必要最低限の工具類については、専用の棚などを準備し保存する。 2. 保守管理手順書に基づき作業を行い、工具類は決められた場所に保管する。 (建築)
・機器配置図
34 第3章建物及び設備 建物 :付随区域 3.33. Animal houses should be well isolated from other areas, with separate entrance (animal access) and air handling facilities. 動物舎は、他の区域から十分に分離し、区別された入口(動物へのアクセス)及び空気処理施設を有すること。 1. 動物舎は、他区域から独立させること。 1. 動物舎は別建屋にする。同一建屋であっても他区域と十分に離して配置する。 1. 動物舎を独立して管理する。 (建築)
・製造所全体配置図
・ゾーニング図
2. 動物舎の入り口(動物の経路)は専用とすること。 2. 動物用には専用の入り口と廊下を確保する。 2. 動物の搬入出は、専用の入り口と経路で行う。 (建築)
・動線図
3. 動物舎の空調施設は専用とすること。 3. 動物舎の空調系統は独立させる。動物舎からの排気がその他区域の給気に混ざらないように排気口の配置に考慮する。 3. 空調設備の不備による排気混入が起きないよう保守管理を行う。 (空調設備)
・空調系統区分図
・空調系統図
・吹出口・吸込口配置図
35 第3章建物及び設備 設備 3.34. Manufacturing equipment should be designed, located and maintained to suit its intended purpose. 製造設備は、その所期の目的に適するよう設計し、配置し、保守管理すること。 5.53. 充填用の容器は、充填前に清浄であること。ガラス片、金属粒子等の物質混入を回避し、除去するよう注意を払うこと。

5.54. 通常、充填及び封かんに続いて、表示を可能な限り速やかに行うこと。そうでない場合においては、適切な手順を適用して、混同や誤った表示が起こり得ない旨を確保すること。

5.55. 包装の過程で行われる又は別に行われる印字作業(例えば、コードナンバー、使用期限の印字) の正確な実施をチェックし、記録すること。手作業による印字には注意を払い、一定の間隔で再チェックすること。

5.56. カットラベルを使用する場合及び刷込み印刷が包装ライン外で行われる場合は、特別な注意を払うこと。ロール給紙ラベルは通常、混同の回避に役立ち、カットラベルより好ましい。

5.57. チェックを行って、電子的コードリーダー、ラベルカウンター又は同種のデバイスが正しく作動している旨を確保すること。
1. 生産設備はその所期の目的に適するように設計、配置および保守管理されること。

(注) 3.6.項の留意点4. を参照のこと。
1.1 生産設備は初期の目的に適するよう設計及び配置する。

例えば、
・製造プロセス及び運用上適切な、機器の設置位置と周辺スペースを確保する。
・保守のし易いスペースを確保した配置とする。
1.1.1 生産設備はその所期の目的に適するように、あらかじめ定められた手順書に基づき運転する。

例えば、次の点に留意する。
・充てん用の容器は、充てん前に清浄にし、ガラス片、金属粒子等の汚染物質を回避、除去に注意する。
・通常、充てん及び封かんに続いて、表示を可能な限り速やかに行う。そうでない場合は、混同又は誤った表示が起こり得ないことを保証する適切な手順を適用する。
・別個に又は包装の一環で行われる印字作業(例えば、コードナンバー、有効期限)が正しく実施されていることをチェックし、記録する。手作業による印字には注意を払い、一定の間隔で再チェックする。
・カットラベルを使用する場合及び(バッチ番号、有効期限等の)刷り込み印刷がオフラインで行われる場合は、特別な注意を払う。ロール給紙ラベルは通常、混同の回避に役立ち、カットラベルより好ましい。
・電子的コードリーダー、ラベルカウンター又は同様なデバイスは、正しく作動していることを保証するため、チェックする。
(建築)
・製造所全体配置図
・ゾーニング図
1.1.2 生産設備は、PIC/S GMPのGUIDE(参照番号:PI 009)、GUIDE TO GOOD MANUFACTURING PRACTICE FOR MEDICINAL PRODUCTS ANNEXESにある、クオリフィケーションおよびバリデーションのガイド、Annex 15 (Qualification and validation) を参考に、クオリフィケーションを適切に行う。
1.2 生産設備は、その所期の目的に適した保守管理ができるように、設計し、配置する。 1.2 生産設備は、その所期の目的に適した保守管理ができるように、保守管理手順書に基づき、保守管理を実施し、記録を残す。 (建築)
・機器配置図

(生産設備)
・機器リスト
・機器仕様書
・機器製作図
36 第3章建物及び設備 設備 3.35. Repair and maintenance operations should not present any hazard to the quality of the products. 補修及び保守管理の作業は、製品品質に危害をもたらしてはならない。 1.機器の修復及び保守管理作業は、製品品質にいかなる危害を示さないこと。 1. 修復や保守作業が製品品質に対し、いかなる危険も示さないように以下のような対応を考慮する。

例えば、
・補修や保守管理の作業者が適切に入退室出来るようにする。
・工具類の持ち込み・持ち出しが適切に出来るようにする。
・機器の保守は、可能な場合、機械室側から出来るような配置とする。
・保守管理動線を明確にする。
・補修や保守管理時、適用する場合、室圧逆転が無いようクリーンルームの停止・再立ち上げ(必要に応じて、消毒や除染を含む)を設定する。

(注) 留意点1. を参照のこと。
なお、包装室の一角をローパーティションなどで区切って(飲食可能な)休憩室とすることは独立した休憩室には該当しないと考えられる。
1. 補修や保守管理作業を実施することにより生じる汚染等が、製品品質にいかなる危害を示さないように、保全計画及び保守作業手順書を作成し、実行する。

例えば、
・クリーンルームの入退室手順書
・工具類の持ち込み・持ち出し手順書
・仮設計画書
・クリーンアップ手順書

(注) 留意点1. を参照のこと。
(建築)
・機器配置図
・ゾーニング図
・動線図

(生産設備)
・取扱説明書
1. 本項目は、構造設備の構築に係わる要件ではなく、運用に係わる要件である。
37 第3章建物及び設備 設備 3.36. Manufacturing equipment should be designed so that it can be easily and thoroughly cleaned. It should be cleaned according to detailed and written procedures and stored only in a clean and dry condition. 製造設備は、容易にかつ完全に清浄化できるよう設計すること。製造設備は、詳細な手順書に基づいて清浄化し、清浄で乾かした状態でのみ保存すること。 5.21. 品質リスクマネジメントのプロセスの結果に基づいて、交叉汚染に係るリスクを管理するため求められる技術的措置及び組織的措置の範囲を確定させること。技術的措置及び組織的措置には以下が含まれ得るが、これらに限らない。

技術的措置
i x . 清浄化を容易に行えるよう設計された設備を用いる。
x i i . 有効性がバリデートされた自動CIP(定置洗浄)システムを用いる。
x i i i . 共用の一般洗浄区域について、設備の洗浄、乾燥及び貯蔵の場所を分ける。
1. 生産設備は容易かつ十分に清浄化できるように設計されること。
生産設備は手順書に従い清浄化され、清浄で乾かした状態でのみ保存されること。

(注) 3.6.項の留意点4. を参照のこと。
1.1 生産設備は、必要に応じて分解洗浄または定置洗浄ができるように設計する。

例えば、
・デッドレグを極小化する。
・配管勾配を確保する。
・接液部の仕上げは研磨する。
・CIPシステムを導入する。
・分解容易なサニタリー配管を採用する。
1.1.1 製造設備は洗浄手順書に従い、洗浄し、清浄で乾燥された状態で保管し、記録を残す。 (生産設備)
・機器リスト
・機器仕様書
・機器製作図
・P & ID
・ゾーニング図
1.1.2 工程作業を開始する前に、当該機器が清浄であることを確認する。
1.1.3 包装作業を始める前に、包装ライン、印字機および他の機器が清浄であることを確認する。図
1.2 洗浄後は清浄で乾燥した状態で保存できるように生産設備を設計する。

例えば、
・器具乾燥機を設置する。
・洗浄槽上部をクリーンブース化する。
・保管庫を導入する。
1.2 1.1項、1.1.2項、1.1.3項と同様。
1.3 建物は、上記分解洗浄及び乾燥保存できるように設計する。なお、共用の一般洗浄区域について、設備の洗浄、乾燥及び貯蔵の場所を分ける。 1.3 1.1項、1.1.2項、1.1.3項と同様。
38 第3章建物及び設備 設備 3.37. Washing and cleaning equipment should be chosen and used in order not to be a source of contamination. 洗浄及び清浄化の設備は、汚染源とならないよう選定し、使用すること。 1. 洗浄設備、清浄化設備は汚染源にならないように選定され、使用されること。 1. 洗浄及び清浄化設備が汚染源にならないようにする。

例えば、
・洗浄水の接液部は、腐食や錆等が発生しない材質を採用し、系内からの汚染がない仕様とする。
・系内を乾燥させる機能を有し、菌の繁殖のない仕様とする。
1. 洗浄及び清浄化設備が汚染源にならないことを評価し選定する。評価記録を残す。 (生産設備)
・機器リスト
・機器仕様書
・機器製作図
・P&ID
39 第3章建物及び設備 設備 3.38. Equipment should be installed in such a way as to prevent any risk of error or of contamination. 設備は、過誤及び汚染を防止するように設置すること。 1. 機器は、過誤と汚染のいかなるリスクを防止するように設置されること。 1. 機器は、適切なレイアウト、ゾーニング、動線、設備配置図及び設備仕様書により、過誤リスク及び原材料及び製品への汚染リスクを防止するように設置する。

例えば、
・作業の連続性や清浄度の要求に応じて、作業室を論理的な順序で配置するとともに、製造機器を適切にレイアウトする。
・製造、包装区域は製品、資材の取り回しに余裕がある適切なスペースを確保する。
・包装区域はライン毎に間仕切あるいはローパーテーションを設置し、混同や交叉汚染防止に配慮する。
1.1 過誤や汚染がないように、設備の運転及び清掃・保守管理を実施する。 (建築)
・動線図

(生産設備)
・機器配置図

(注) 留意点1. を参照のこと。
1. 機器に対して、過誤、汚染リスクに関する品質リスクマネジメントを実施する。
1.2 生産設備は、PIC/S GMPのGUIDE(参照番号:PI 009)、GUIDE TO GOOD MANUFACTURING PRACTICE FOR MEDICINAL PRODUCTS ANNEXESにある、クオリフィケーションおよびバリデーションのガイド、Annex 15 (Qualification and validation) を参考に、クオリフィケーションを適切に行う。
40 第3章建物及び設備 設備 3.39.. Production equipment should not present any hazard to the products. The parts of the production equipment that come into contact with the product must not be reactive, additive or absorptive to such an extent that it will affect the quality of the product and thus present any hazard. 製造設備は、製品に危害をもたらしてはならない。製品と接触することとなる製造設備の部品は、製品の品質に影響を及ぼして危険をもたらす程に反応性、付加性又は吸着性があってはならない。 1. 製造設備は、製品に対していかなる危害を示さないこと。
製品と接触する部品は、製品の品質に影響を及ぼし、いかなる危険をもたらす程度まで反応性、付加性、吸着性がないこと 。
1. 製造設備は、製品に対していかなる危害を示さないように設計する。接薬部分の材料は、根拠に基づき選定し、必要に応じて材料証明書を確認する。予備テストを実施することもある。 1. 製造設備をクオリフィケーションされた状態に維持管理するため、保守管理手順書に従い保守作業を行う。部品の仕様及び材質を変更する場合も変更管理の対象とする。 (生産設備)
・機器リスト
・機器仕様書
・機器製作図
・P&ID
41 第3章建物及び設備 設備 3.40. Balances and measuring equipment of an appropriate range and precision should be available for production and control operations. 天秤及び測定設備が適切な範囲及び精度であり、製造及び管理の作業のため利用可能であること。 5.38 払い出された各原料及びその重量又は容量は別個にチェックし、そのチェック結果を記録すること。 1. 天秤や測定器は適切な範囲と精度のあるものを製造と品質管理に使用すること。 1. 天秤や測定器は適切な範囲と精度のあるものを製造と品質管理に使用する。 1.1. 製造や品質管理で実施する測定には、適切な測定範囲と精度を有することが評価され登録された天秤や測定器を用いる。 (生産設備)
・機器リスト
・機器仕様書
1.2.上記の天秤や測定器具は、校正手順書に従って定期的に校正を実施し、記録を残し、校正の有効期限が記載されたラベル貼付する。
42 第3章建物及び設備 設備 3.41. Measuring, weighing, recording and control equipment should be calibrated and checked at defined intervals by appropriate methods. Adequate records of such tests should be maintained. 測定、秤量、記録及び管理の設備は、所定の間隔で適切な方法により校正し、チェックすること。斯かる試験の適切な記録書を保管すること。 1. 計測、計量、記録および制御を実施する機器は、所定の間隔で適切な方法により校正が必要である。校正の記録を保管すること。 1. 計測、計量、記録及び制御を実施する機器は校正できる機能とする。 1.1 測定、秤量、記録及び品質管理を実施する機器は、校正の間隔を規定する。 (生産設備)
・機器リスト
・計器リスト
1.2 上記規定された間隔でこれらを校正し記録する。
43 第3章建物及び設備 設備 3.42. Fixed pipework should be clearly labelled to indicatethe contents and, where applicable, the direction of flow. 固定配管は、内容物及び(該当する場合)流れの方向を示すため、明確に表示すること。 1. 固定配管は、内容物と(該当する場合は)流れ方向を示す明確な表示を行うこと。 1. 固定配管の流体識別、系統及び流れ方向を表示する。 1. 固定配管の表示を維持管理する。 (空調設備)
・空調配管系統図

(排水設備)
・給水系統図
・一般排水系統図
・生産排水系統図

(プロセス・ユーティリティ配管)
・P&ID
・ユーティリティ(圧縮空気、特殊ガス、冷温水、蒸気、ガス(燃焼用)など)系統図

(製薬用水設備)
・製薬用水設備系統図

(生産設備)
・P&ID
44 第3章建物及び設備 設備 3.43. Distilled, deionized and, where appropriate, other water pipes should be sanitised according to written procedures that detail the action limits for microbiological contamination and the measures to be taken. 蒸留水、脱イオン水及び(適宜)その他の水の配管は、微生物汚染に係る行動制限及び講じるべき措置を詳細に定めた手順書に基づいて消毒すること。 1. 蒸留水、脱イオン水および(該当する場合)その他の水の配管は、文書化された手順に基づいて消毒されること。
文書化された手順には、微生物汚染に対するアクションレベルと対策が詳述されること。
1. 蒸留水、脱イオン水及び(該当する場合)その他の水の配管は、消毒できる機能と構造を有する。

例えば、
・SUS316 系のように耐食性の強い材質を選定する。
・ピュアスチームや高温循環配管は不働態化処理を実施する。
・横引き配管には排水時及び滅菌時の水の滞留を防止できるように可能な限り 1/100 以上の勾配とする。
1. 蒸留水、脱イオン水及び(該当する場合)その他の水の配管は、製薬用水設備管理手順書に従って定期的に消毒を行い、記録する。また、製薬用水管理手順書には微生物汚染に対するアクションレベルと対策を詳述する。 (製薬用水設備)
・製薬用水設備 P&ID
・製薬用水設備 仕様書
45 第3章建物及び設備 設備 3.44. Defective equipment should, if possible, be removed from production and quality control areas, or at least be clearly labelled as defective. 欠陥のある設備は、(可能な場合) 製造区域及び品質管理区域から撤去するか、又は少なくとも欠陥のある旨を明確に表示すること。 1. 欠陥のある設備は、製造及び品質管理区域から除去するか、少なくとも欠陥がある旨が明確に表示されること。

(注) 留意点1. を参照のこと。
適用外 適用外 適用外 1. 本項目は、構造設備の構築に係わる要件ではなく、運用に係わる要件である。