10/18 9:15 - 10:00
特別講演
能性化粧品・育毛剤用一剤式PLGAナノ粒子製剤の開発とその社会実装化
講演者
辻本 広行、笹井 愛子
ホソカワミクロン株式会社

山本 浩充、川嶋 嘉明
愛知学院大学
講演概要

著者らは、様々な有用成分が封入できるPLGAナノ粒子は「肌や毛穴へ浸透し、体内水分によって加水分解しながら封入成分を徐放できる、DDS技術」を見出し、これまでに本技術の新用途として、「スキンケア、ヘアケア製品」作りへの応用を目指してきた。しかし、その種の水系製品にPLGA粒子を配合しただけでは容器内で加水分解を起し、使用塗布時にはDDS機能が消失しているという課題もあり、製品開発当初は用時調製式の2剤式製品に限定していた。そのため、コスト高で使用性が悪く、誤用性から部外品申請も困難となる等の側面があった。そこで課題解決に向け、「PLGA粒子の加水分解を制御した製剤技術」を新開発した。これはPLGA粒子の分散液側に①pH緩衝機構を設けることで加水分解速度を限りなく低下でき、かつ、②液剤を3次元ゲル化させて、凝集沈降し易い本粒子の分散を安定化させうる、「PLGA粒子水分散系製剤技術」を完成させた。これを使用時、肌へ塗布すると、恒常性から従来通りのDDS機能を発揮できるメカニズムが構築された。本開発により、高機能で市場競争力をもった製品が上市でき、本製剤技術品の社会実装化が実現できた。