医薬品の安定供給の問題は国による対応策の進展は見られるものの、現在も多くの品目が限定出荷の状況にあり、その解消にはさらに数年を要すると思われる。単に個々の企業の問題に止まらず薬事規制、薬価などに加えて産業構造的な問題も含めた総合的な対応が必要で、国も本腰を入れて取り組もうとしている。本講演では品質問題で最終的にテバに買収された旧大洋薬品の工場の立て直しに成功した武田テバの事例と、その過程で学んだ構造的な問題について、会長を務めている日本エスタブリッシュ医薬品研究協議会で行った４回の政策提言についてもその内容を紹介する。