抗体医薬品開発の発展は,生物工学的技術の貢献によるものが大きい。一方,蛋白質としての物性研究が最近四半世紀に進展したことが,製造,製剤開発等に大きな貢献を果たしたことを強調するべきである。本講演では,酸曝露やサブクラス変化が物性に及ぼす影響,糖鎖修飾と物性,高濃度製剤,会合凝集検出等についての研究を,演者の研究を中心に振り返り,低分子抗体やバイスペシフィック抗体,ADC等の次世代医薬品開発にも大きく貢献する製剤技術研究への期待を述べたい。