【特集】口腔内崩壊錠─添加剤─ |
メルクの機能性マンニトール「パーテックM」および「パーテックデルタM」の特性 |
三木 真章 |
要旨 マンニトールは甘味と清涼感を持ち口当りが良いことから、口腔内崩壊錠(OD錠)の賦形剤として注目されているが、圧縮成形性に乏しく打錠障害を引き起こしやすいため、この欠点を解消すべく、いわゆる「機能性マンニトール」の開発が盛んに行われている。パーテックMおよびパーテックデルタMは、メルク独自の「機能性粒子設計技術」に基づき開発された機能性マンニトールである。パーテックMはフィラメント状の粒子構造を特徴とする直打用マンニトールで、従来品の5〜10倍の比表面積を有する。パーテックデルタMはデルタ型結晶多形を持つマンニトールであり、水溶性溶媒で湿式造粒するとベータ型への多形転移を起こすが、これに伴い比表面積が著しく増大する。両マンニトール共、大きな比表面積の効果により、優れた圧縮成形性および迅速な崩壊性を発揮するので、特殊な技術を使用せずシンプルな処方でOD錠の製剤設計を可能にする。 |