技術解説[2] |
新規結晶セルロース セオラス KG-1000とその応用 |
大生 和博 |
要旨 固形製剤として広く用いられている錠剤の製造において、主薬含有量が多く添加剤を十分添加する余地のない場合に、打錠障害が問題になることが多々あり、少量で成形性、摩損性、打錠障害を改善できる添加剤が望まれている。我々は結晶セルロースの打錠成形性の発現因子が粒子の長径短径比(L/D)であることから、L/Dを最大限に高めた結晶セルロースであるセオラスKG-1000を開発し、これまでの高成形性グレードであるセオラスKG-802をさらに上回る高い成形性を付与することに成功した。セオラスKG-1000は高い圧縮成形性を有していることから、湿打後末においては10%未満の少量添加で硬度、摩損度、打錠障害を改善する他、直打においても主薬を高含有量で配合した場合の打錠障害を抑制できる。さらに高い液保持性を有していることから、液状主薬の錠剤化が可能となる。 |