取り巻く話題[2]
高電圧短パルス殺菌装置
石川島播磨重工業(株) 技術開発本部
石田 大典、温見 寿範、真島 隆司
(要旨)
 医薬品材料や飲料水といった液状物質の殺菌処理に使用できる高電圧短パルス殺菌装置の開発を行っている。従来、液状物質の処理はフィルターろ過や煮沸、オートクレーブ(高温高圧蒸気)やオゾンガス、紫外線などが使われてきたが、環境基準の改訂に伴い、より効果的な処理が行える方法が求められている。特に医薬品材料などは熱変化や性質変化を起こしやすいものが多く、非加熱で性質変化を生じさせない効果的な処理が望まれている。高電圧短パルス殺菌装置は対象の処理溶液中に数億分の1秒という非常に短い時間に数万キロワットという高エネルギーを印加することにより発生する高電界、衝撃波を用いて対象物内の微生物を破壊するものである。開発を行ってきた高電圧短パルス殺菌装置ならびにその殺菌効果について解説する。